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機動戦士ガンダム・インフィニットG
第十三話「その力を絶て・後編」
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と、最後にラウラは顔を真っ赤にし、一夏に叫んだのだ。
余談だが、人質に取られていたセシリアと凰はアリーナの出口付近に倒れていた。おそらく、DG細胞が彼女と、彼女の機体に隠された違反システムVTシステムを侵食する間際に、ラウラの善心が全力で抗って二人を触手の塊へ取り込まずに外部近くへ逃したのだろう……

翌日、アムロはアスナと共にMS学園のネット資料館へ足を運んだ。アスナの元にも通信で加集雷蔵と名乗る声を聴いたのである。しかし、あの雷蔵博士は現在……
よって、二人はその真相を突き止めるために滅多にはいかないネット資料館へ出向いたのだ。
「よっ! 確か、ガンダムの……」
と、入り口付近である若者と出会った。自分体よりも年上のように見えるが、どこからか幼さの残る青年であった。
「確か……あんとき、ガンダムであのデカ物やっつけたパイロットの一人だよな?
「そう……だけど? アンタは?」
「俺、ユーマ・ライトニング。覚えてないか? あのイフリートのパイロットだよ?」
「ああ! あの凄い動きした?」
「そうそう! 俺のテクニカルでアクロバティックな操縦っぷり、最高だろ!」
「でも、最後はあっけなかったな?」
「し、仕方ないだろ!? まさか、あの中に人がいるなんて知らなかったんだからさ?」
と、ユーマはポケットからパッキーを一本咥えた。
「そういえば……ユーマ、さん?」
「あ? ユーマでいいぞ?」
「じゃあ、ユーマ。僕、質問していいかい?」
「なに?」
「……君も、あの時の夜に例の通信、聞いてた?」
恐る恐る聞くと、ユーマは平然と答えた。
「ああ、何か聞こえてたな? 俺、弾き飛ばされちゃって半分気絶してたけど……」
「その人のこと、詳しく知らない?」
「気絶半分で聞いてたから、全然わからないや?」
「そう……」
「加集雷蔵って人、しらない?」
と、次にアスナが問う。
「知らない。俺、こう見えて外のことは詳しくないんだ」
「そうか……」
と、アムロはその後もユーマと雑談をかわしながらも資料館内のパソコンの元へたどり着くと、気になるワードをキーで叩いていく。
「何、調べんの?」
ユーマが問う。
「さっき言った、加集雷蔵(かしゅうらいぞう)って人だよ?」
「ふーん……」
「お、でたでた……」
しかし、加集雷蔵の詳細は更新されておらず、いまだに彼は「永久冷凍」されたままであった。
加集雷蔵。優秀な科学者で、後にあのDG細胞を生み出すも、それが暴走したことにより大罪を問われ、永久冷凍の刑に処された。
「あの時の、あの声は……いったい誰だったんだろう?」
アムロは、そう呟いた。彼らの通信に現れたあの助言の主。それは雷蔵博士本人だったのか、それとも彼の関係者だったのか、その真相は誰にもわからなかった……
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