第十三話「その力を絶て・後編」
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て、しまいには学園全体の問題にかかわる。こうなれば是が非でも自分たちの力で解決しなければならなかった。
「学園の信用もある故、その支援は受け入れがたいのだ……」
と千冬は重々しい言葉で返答する。
「しかし、今は人質に取られた生徒や、ましてやDG細胞に感染したラウラが危ういのですよ?」
余談だが、DG細胞に感染したものは長時間の活動によって体の体力が衰えていき、最悪の場合は衰弱死する恐れもある。これは、きわめて時間との勝負である。
そう、時は一刻を争うのであった。
「ラウラからの要求ですと、こちらのガンダムを扱う学徒らと対戦させなければ人質のセシリアと凰の命は保証しないと言っていますが……」
と、マット。ラウラからの要求はいまより一時間前にMS側の教員らの通信に入り込んできた。
『お前たちのガンダムと戦わせろ。さもないと人質の命はない。この条件を容認すれば』
とはいえ、DG細胞に取りつかれた相手にガンダムが単体で勝てるわけなどない。ここはやはりシャッフル同盟を派遣するよりほかないのだ。
「これは、我々の学園で起きた問題だ。我々の力で解決する」
そう、千冬が言い張るがやはりDG細胞の恐ろしさを過小評価しているにしか見えない。
「では、貴方ならどうお考えなのですか?」
マットは問う。
「私が代表としてラウラの元へ行こう。あの娘は私の教え子だ。一喝して辞めさせてくる」
「そう上手くいけばいいですが、今のラウラがあの状態で果たしてあなたの声が届くかどうかもわからない」
しかし、DG細胞の恐ろしさをこの身で体験したマット達には千冬の言うことなど信じられなかった。
五年前の暴走事件、まだ新兵だったマット達は第二世代のMSジムコマンドを纏い、所属された部隊でDG細胞の暴走を食い止めようとしたが、暴走したDG細胞はとてつもなく強力で、次々と部隊の仲間が撃墜されていき、最後は自分達だけが生き残った。彼らも死を覚悟したが、そこに現れた初代シャッフル同盟によってDG細胞はどうにか活動を停止した。幸いにも、まだDG細胞は初期段階ゆえに彼らでも止めることができたがあと少し活動が延びていればもはや防ぎようがないと語っていた。
マットからして、今のラウラの状態は手遅れ寸前か否かの状況とみている。一刻の猶予もない。しかし、ここでの指揮権は千冬にあるため、こちらの言い分を突き通すことができない。
「私の生徒が起こした問題だ。教師である私が食い止めに行く」
「しかし……!」
「此処の指揮権は私にある!」
「ふざけんな! DG細胞の恐ろしさを知らねぇアマ共に任せてられっか!!」
しびれを切らしたフォルドは、立ち上がってそう叫んだ。
「フォルド教員、話し合いの邪魔だ。これ以上の反論を続けるようなら、ご退場願おう」
千冬の厳格な視線がフォルドに向けられ
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