第十三話「その力を絶て・後編」
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ラウラは、セシリアと凰を人質に取り、それと同時に第三アリーナを陣取っている。それも、異様な姿を遂げて。
ラウラが纏うISは、機体全体が黒い液状と化してパイロットの彼女を取り込み、その形は徐々に形を変えて鎧をまとう騎士の姿へと変貌してしまった。さらに、巨大なパイプ状の図太い触手の群れが地面から一斉に生え出し、それらをうねらせては周囲を近づけさせまいとその数を増やしていき、その規模はアリーナ一帯を取り囲み、触手の塊で築かれた一つの巨大な砦、城へと変わりその大きさはアリーナを超すほどの巨大さである。
一方の、教員達は対策を開くもIS側の主張はことごとく無効になった。
DG細胞。それはかつてガンダムファイターを息子に持つ科学者、加集雷蔵が開発した自己修復機能を持つ人工細胞である。その修復能力は異常なほど素晴らしく、しかし融合した相手の願望にそって暴走してしまうという、恐ろしい力である。ましてや、超人的な精神力がなければ制御できないのだ。
*
深夜10時、MS学園・職員会議室にて
「くそっ……どうして、あんなのをドイツの連中が持ってんだよ!?」
ドンと机をたたいてフォルドは叫んだ。彼以外ではないルースやミユ、ユーグ、マオ、マット達もIS側がどういてDG細胞を所持しているのかとに疑いを持ち出したのだ。特に、ドイツと関わりの深い千冬に対してマットが問い詰める。
「織斑先生、これはどういうことですか?」
マットが問う。
「私は知らん。少なくとも、ドイツで教官をしていたにすぎない。軍に関しての詳細など全く心当たりがつかん」
平然と否定する千冬に、周囲のIS側の教員が猛反発して罵声を浴びせてくる。
「そもそも! あんなものを作ったのはそっちじゃないの!!」
「そうよ! どうして織斑先生が疑われるの!?」
「アンタ達が管理を怠ったのがいけないんでしょ!?」
そのとき、ルースは呆れて冷静にこう返した。
「じゃあ……どうしてあんな恐ろしいものを拾ったなら、知らせてくれなかったんだ?」
「はぁ!?」
「どうして、拾った物をネコババしたのかって聞いているんだ」
「それは……」
「そもそも、そっちだって五年前のDG細胞の暴走事件を知っていたはずだ。あんな世界的ニュースは誰でも頭にしっかりと根付いているはずだが? だったら、そんな大それたモノを拾って独占しようとするIS側にも非があると思うぞ?」
「……!」
IS勢は、一斉にルースを睨んだ。しかし、彼は平然としてパイプ椅子にもたれた。
「とにかく、今はDG細胞に感染したラウラの対処をどうにかしないといけません。一様、連邦政府はシャッフル同盟の派遣を要請している模様ですが、そちらの許可を取らなければなりません」
しかし、IS学園からすれば答えはNOだ。そのような事件があれば、学園の治安は疑われ
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