レベル8後編 計り知れない
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びついた。カランと球が落ちる音がする。
「うわっ!?なんだよいきなり」
ダードは目を丸くした。
「ありがとー!」
樢は黄色い声を上げながらダードの顔を撫で回した。
「あ、あぁ、まぁ、戻ってくれたなら嬉しいよ」
ダードの顔はひきつっている。
「元に戻ったのね、樢」
「ケート!」
樢は手を止めずに毛糸の方を向いた。
「私はまだ謝るなんてことは出来ない。やったことに後悔は無いわ。でも、」
毛糸の顔がほんのピコ程動いた。
「あなたが戻ってきてよかった」
「ただいま、ケート」
樢は全てをなあなあにして、柔らかく笑った。
「あの、樢、いい加減、手、やめて欲しいんだが……」
「えー、もうちょっとー」
樢は一層ダードを撫で回した。
「……だけどこれで、終わったんだよね」
樢は唐突に、ぼうっと斜め上を見上げた。視界の端でハンター達が倒れているが、顔は紫に発光していない。
「……そうだな、サンサーヴは無力化された。俺達の仕事は終わりだし、樢も日常に戻れる」
ダードは頷いた。
「サンサーヴ本体が存在するのは私としてはあまり良くない状況だけど、なんとかしてみせるわ」
毛糸はロッカーを、そこに刻まれている九衆宝家の名前を一瞥した。
「そっか、じゃあ、これで……」
「樢さん、決闘しましょう!」
のんびりとした空気を、夢値の声がかき割いた。
「え?」
樢は思わず振り向いた。
「サンサーヴも回収したことですし。それに恐らくこれが、ぼくのさいごの決闘です」
夢値は、手につまんでいた小さな球をポケットに仕舞った。
「最後?ああ、もうあんた達帰るもんね」
「大体そんな感じです。さぁ、時間も無いし、ちゃっちゃと決闘しましょう」
「んー、でも私のデッキ、あんたのとすり替わってて」
「そうなんですか。ぼくは仕込んだ覚えはありますが盗んだ覚えはありませんよ……っで、」
夢値はいつのまにやら黒い穴をあけ、そこに手を突っ込んだ。
「ほいっと」
夢値はデッキを拾ってきた。
「これですかね?」
「……」
樢は夢値から手渡されたデッキを眺めた。
「あってます?」
「う、うん」
「よし、これで決闘出来ますね」
「え、あ、うん」
早いテンポで展開される話に、樢は騙されるようにデッキを構えた。
(それにしても、最後ったってすぐいなくなるわけじゃないでしょ?何急いでんの?)
樢はぼうっと考えた。
「いきますよ、」
「よ、よし」
そして2人が向かい合うと、その間に何かがドスンと落ちた音がした。樢は感触だけでそれの右下にデッキを置く。
……
「決闘!」
「決闘!」
半歩ずれた。
「では先攻を頂きます、ぼくのターンぼくは……」
夢値がメインフェイズに移行していると、
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