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夢値とあれと遊戯王 太陽は絶交日和
レベル8後編 計り知れない
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だ。お前が強き決闘者(デュエリスト)ならば、お前が風で吹き飛ぶことはなかった」
「わけ分かんねぇこと言ってんじゃねぇよ」
「お前が戦うに値しない決闘者だからこそ、風が吹きお前は飛ばされデッキが散らばった。そうでもなければ、俺が望んでいた決闘が中断されるわけなんて無いだろ?」
「ぐ……偉そうに」
 ダードは不快そうに唸った。
「うーん、」
 夢値は立ち上がった。
「半分は同意しますけど、もう半分はどうなんでしょう?」
 夢値は樢の方に首を傾げて見せた。
「何が言いたい?」
「今の樢さんなら、決闘の邪魔をするようなものは自然災害だろうと何だろうと跳ね除けることができるでしょう。でも、」
 樢はダードが持っていたデッキを樢に突きつけた。
「それなのに決闘(たたか)えなかったのは、ダードさんのデッキが怖かったからです」
「怖い、だと……?」
 樢は夢値を睨みつけた。
「ええ、このデッキはとんでもないことになるだろうなぁと思って組んだので、これだけの騒動になってくれて安心しました」
 夢値は無邪気そうににっこりと笑った。
「俺が、お前の計画によって、怯える羽目になった。そうとでも言いたいのか?」
「ええ、そんな感じです」
 今にも爆発しそうな樢からの問いに、夢値はコクンと頷いた。
「ふざけるなよ……。何故雑魚に恐れをなす必要がある?虚勢も程々にしろ」
「なんでってそりゃあ、樢さんは弱い人にも絶対勝たなきゃいけないって思ってるからですよ」
 夢値はダードのデッキのカードを数枚組み替えた。
「さて、デッキが完成しました。決闘しましょう」
「それは、ちゃんと決闘出来るデッキなんだろうな?」
 樢は冷たい目をした。
「うーん、多分」
「多分!?」
 樢はボロっと叫んだ。
「まだ俺が怖がってるとかなんとかほざきたいのか!」
「まぁまぁ、落ち着いて下さいよ」
 詰め寄らんばかりの樢に、夢値は宥めるような手をした。
「まだ未知の部分が多くて思い切ったことが言えないんですよ。でも安心して下さいね」
 夢値はあやすように微笑んだ。
「ぼくが勝つ予定ですから」
「なんだと?」
「大体の場合でちゃんと決着付きますから、大丈夫ですよ大丈夫」
「……っ!」
 樢は爆発するように口を開いた。
「馬鹿にするのもいい加減にしろ!俺の力を見ただろ!?俺が必ず先攻を取り、俺のターンに効果を発動出来るカードは1枚も手札に入れさせない。それでも勝てると言うのか!?」
「百聞は一見に如かず。決闘すれば分かることです」
「ふん……ならば決闘で叩き潰してやろう」
 2人は改めて対峙した。デッキを構える、立ち方を変える、そういった微妙な所作の差異だけではなく、張り詰めた独特の空気が改めて作り出された。
(夢値、)
 ダードは真
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