坂上の罪状
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「この件はじきに撤収命令が出るよ。お前も帰り支度しろ。そしてこの事はすぐに忘れろ」
「一生忘れられませんよ!バードマンですよ!?」
「落ち着けバードマンじゃねぇぞ。…刑事やってるとな、こういう事はまま起こる。まぁ…宇宙人は俺も初だが。坂上の罪状のことも、もう考えるな。これはもう立法府とかの管轄だろ」
「だけど!」
「くどいぞ、小林」
「落ちてた宇宙人の死骸を調理して食ってインスタにアップするような変態を野に放っていいんですか!?」
「ぐぬ……」
常識とか公序良俗とか、倫理の基準にに照らし合わせると確かに、放っておいていい嗜好の持ち主じゃないんだが…今現在、奴を裁く法律が存在しない限りはなぁ…。
その時、俺の携帯が鳴った。
「はい、石上」
十中八九、撤収命令だ。そう思って俺は気怠く電話に出た。
『大変だ、石上!』
「こっちも大変だよ…」
『坂上が死んだ!!』
―――はぁ??
『皮膚が青くなって、変な色の血を吐いて死んだぞ。…あいつ、ガイシャの躰を食べたんだろ?多分その肉に』
「人体に有害な、何かが……」
『未知の成分だから治療のしようもなく、なす術はなかった』
ふっと、体の力が抜けた。
そりゃそうだろうな、宇宙から飛来した得体のしれない生き物の肉をよく調べもしないで食い続けたらそりゃなぁ……。
「おーい坂上死んだぞー」
俺は携帯を切って上着を羽織った。小林も「うぃーす」とか云いながらついて来た。
もう色々どうでもよくなったので、小林を誘って3時から呑める居酒屋に入り、具合が悪いと報告して直帰することにした。
宇宙人の件は、結局表ざたにはされなかった。
さすがに『墜落した宇宙船を発見した一般人が宇宙人を食いました』とは発表できまい。
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