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ep.047 死神の願い
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『でも僕には今の状況を打破できる手がない。 僕は彼女を守りきれずに終わってしまうのか?』
『......そうさせないために俺は俺自身の人格をこの体に残しておいたんだ。 だからここは俺がやる。 任せろ、兄貴(仮)として彼女は守ってみせる。』
◆◆◆◆◆◆
「ハハハッ....あぁ?」
男は不意に足に違和感を覚える。
そして足を見ると、膝から下がなかった。
「..........っ何!!」
男はバランスを崩し鈴菜を放す。
操作は鈴菜を優しく受け止め、その場を離れた。
「なっ....何だってんだこの傷は!!」
痛みすら感じることはなかった。
まるで初めから片足が無かったかのように今も痛みを感じることはない。
男が操作の方に目をやると操作は鈴花ではないもう一本の小刀を抜いていた。
その小刀は過去に多くの血を吸ったことによりその刀身はなまくらを思わせるほどに黒かった。
「断刀・頭並べ....この刀を持つのも数年ぶりになるのか。 可能なら永遠に持ちたくはなかったが....過去の亡霊が相手なら仕方ない。」
そこにいたのは操作ではなくISだった。
先程の殺気に溢れていた操作とは違い、むしろ何一つ感じなくなった。
それこそ目で見えていてもそこにいる気配を感じ取れないくらいだ。
「馬鹿な....レベルが違い過ぎる。」
ISはノーモーションからダッシュし、加速するとその速度から一瞬で目で捉えられなくなる。
そして気付いた時には体のパーツの何処かが切断されて宙を舞っていた。
『馬鹿な...これがかつて死神と呼ばれた男の実力。』
男は決して起こしてはならない人物を起こしてしまったことを心底後悔した。
ISは頭並べを逆手に持ち、手足を両断された男の首を斬り落とそうとする。
「終わりだ。」
ISが視界から消え、男は死を悟った。
しかし、ISの頭の中で1つの大きな声が聞こえた。
『いけません!!』
聞き覚えのあるその声にISはピタリと止まる。
その手に持つ刃は男の首に触れる直前だった。
途端にISは刀をしまい鈴菜の元へ戻った。
まだ目を閉じたままの鈴菜の頬をISは優しく撫でる。
「数年ぶりだね...箱部さん。 残念だけど俺が君と会えるのは君がこうして眠っている間だけなんだ。」
ISの顔は何処か寂しそうだった。
それが伝わったのか鈴菜の目に涙が溜まる。
それは頬を伝い、頬を撫でるISの手を濡らした。
「もうお別れの時間か...最後に....。」
ISは鈴菜の唇を奪った。
同時に能力で彼女を治療する。
傷口が塞がり、体力が回復していく。
『俺は後悔なんてしていない。 これから先も操作と鈴菜を守
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