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ep.047 死神の願い
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が男はしらばっくれる。
操作はそれで確信したのだ。
『この能力による錯覚現象は相手の視覚と聴覚を操ることで実行している。 だが先程の反応から見てもこの男は耳栓をしているに違いない。』
ともなれば能力を使わずに近接戦闘をする以外で操作に戦う手段はなかった。
不意に腰にあるもう一本の小刀に手が伸びるが、操作はその小刀を使うことを拒んだ。
「もうこれは使わないと誓ったんだ...多くの人の血を吸ったこの刃は使うわけには行かない。」
もうISであった頃のように人の命を奪ったりしないという誓いを守るために差している。
故にこの小刀を使う時は人の命を奪う決心をした時だけだと決めていた。
操作は再び鈴花は強く握り締めると男に立ち向かった。
だが、結果は出ず相手に踏み付けられた。
「何を怖がってやがんだ? ひょっとして...」
男は気を失った鈴菜の腕を掴み持ち上げる。
鈴菜は相変わらず意識が戻らず人形のようにブラブラとしていた。
「この女殺せば、ISでもなってくれんのかねぇ。」
「........ッ!!」
男は鈴菜の首を持つと少しずつ絞め始める。
鈴菜は抵抗できないままされるがままになっている。
「やめろ!!」
操作は男の足をどかそうと必死にもがく。
しかし、まるで重りのような足はびくともしない。
「おら!! さっさと逝っちまいなぁハハッ!!」
「おぐっ.....かっ....はっ.....。」
流石に気を失っていても首を絞められいれば顔を歪めて苦しそうにする。
そんな中操作は心の中で別の声を聞く。
◆◆◆◆◆◆
『お前では彼女を守りきれないか?』
『お前は誰だ?』
『そうだな...考え方としては兄になるのか?』
『僕に兄なんていない。』
『あぁ、実質的な兄はいない。 なら俺はお前のオリジナルと言うのが正しいか?』
『オリジナル....どういうことだ。』
『池野操作というのは...俺が能力で作ったもう一つの人格に過ぎないってことだ。』
操作の頭は混乱する。
いきなり囁きだした声に自分は作り物の人格だと宣言されたのだから無理もないだろう。
『まぁ固まるのも普通だ。 俺が一方的にお前の記憶を共有しているだけだからな。』
『何故多重人格にする必要があったんだ。』
『..........そうだな。 すべては彼女のためだ。 箱部鈴菜という女性を守るには俺の手は余りにも汚れ過ぎた。』
『だから仮の人格を欲した?』
『あぁ、暗殺時代に培った身体能力を一部制限し、記憶のみを受け継いで作った。 また同じ過ちを繰り返させないための保険としてだ。 案の定お前は今日まで人を殺めることなく彼女に寄り添ってきた。』
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