114部分:第十話 張飛、また馬超と会うのことその十三
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第十話 張飛、また馬超と会うのことその十三
「芽は摘んでおきました」
「お疲れ様でした」
「ところで」
ここで声は問うてきた。
「あの三姉妹はどうしているでしょうか」
「彼女達ですか」
「私の同胞が二人ついたそうですが」
「今のところは何の動きもありません」
こう返答が来た。
「残念ですが」
「そうですか。何もですか」
「もっと動くかと思ったのですが」
「見込み違いですか」
「まだその判断は早いでしょう」
「ふむ。ではまだ引き上げるのは早いですか」
話を聞いての言葉だった。
「見たところあまり何も考えていない無邪気な三人ですが」
「しかし成功への欲は深いです」
それは見抜いているのだった。
「それを動かせば面白いことになるでしょう」
「わかりました。しかし三人だけではどうかと思います」
「他の方々もそれぞれ動かれていますね」
「はい、よく」
今闇の中にいる彼等の他の存在についても話される。
「動かれています」
「北もですね」
今度は場所のことも話に出た。
「北の方も」
「匈奴等は取り込まれていますので使えませんが」
「しかし北は匈奴だけではありませんね」
「烏丸もいます」
「では彼等を動かしますか」
「ええ。ではそちらは」
「一人行ってもらいます」
こう言われた。
「それでどうでしょうか」
「ええ。ではそれで」
「まずは乱れさせること」
声が楽しむものになっていた。
「ですから」
「そうですね。手駒も作っていきましょう」
「我等の目的の為に」
闇の中でのやり取りだった。この国で何かが起ころうとしていた。それは闇の中から起こるものだった。何も見えないその中から。
第十話 完
2010・4・25
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