第2話<ぽいぽい>
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を見た。
「司令、どうかしたっぽい?」
「いや、何でもない」
意外と人を見ているんだな。さすが護衛艦。
鳳翔さんが昨日から必死で洗濯してくれたから私の制服もパリッとして、きちっと仕上がっている。これは気分が良い。満点! だな。
「司令、格好良いっぽい」
「そうか?」
観察力は良いし反応も良いんだが……どうもこの子の台詞は最後に「ぽい」が付くからウソっぽくなるよな。
軽く後ろを振り返った日向が言う。
「司令、発車致します」
「ああ、頼む」
「行ってらっしゃい」
笑顔の鳳翔さんと落ち着き顔の祥高さんが鎮守府玄関で手を振る。
軍用車は車庫を出てロータリーを回る。
えっと……車庫から直接、通りに出れば良いのに何故、わざわざ鎮守府正面玄関を回って出るのだろうか?
必然的に暇そうな艦娘たちが出てきて、
『いってらっしゃーい』
……という、大げさな『お見送り』になる。第六駆逐隊の面々や島風が、派手に手を振っている。恥ずかしい。
まあ艦娘たちも殺風景な鎮守府内では、お祭り騒ぎとか、ちょっとしたイベントくらい欲しいんだろう。そう思えば、これも司令官の義務なのか?
つい口走る。
「私を墓参に押し出したのもイベントか?」
「ぽい?」
金髪をなびかせながら夕立が不思議な表情をしている。
「いや何でもない」
せっかく祥高さんがお膳立てしてくれたんだ。あまり疑うのは悪い。
それにイベントだとしても司令の仕事だと割り切れば意義もあるだろう。そう思うと少し気分が楽になった。いつのまにか腹痛も治まっていた。
軍用車は鎮守府の敷地を出て幹線道路へ向かう。私は流れる松林を見ながらふと別の考えが湧いてきた。
敵がもし、どこかから、この状況を観察していたら? 私たちは果たしてどうなるのだろうか?
なにしろ私の着任から作戦参謀の視察まで早いうちから情報を掴んでいた連中だ。やっぱり私が墓参に出たら……狙われるかな?
私は改めて襟を……というより胸に手を当てた。そこには祥高さんが出掛けに渡してくれた拳銃が入っていた。物騒だが仕方ない。敵に狙われたこともあるわけだし今も常に敵が見ているという意識は持つべきだな。
それに日向と寛代……いずれも索敵能力は高そうだ。信頼していこう。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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