第2話<ぽいぽい>
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ん」
「そりゃ確かに不可能じゃあないけど」
(何、仕切ってんだよ?)
「善は急げっぽい」
止める間もなく夕立が元気に手を上げた。
「では」
祥高さんも決定したように言う。やれやれ……結局、押し切られたような気がする。
それでも若干、抵抗するように私は質問する。
「だが行くとしても準備が」
「既に軍用車も下に準備されています」
「は?」
……結局、こうなるのか。腹が痛くなってきた。
「今日の運転手は日向さんにお願いしました」
「日向?」
私が素っ頓狂な声を出すと彼女は不思議な表情をした。
「何か問題でもありますか?」
「いや……無い。むしろ適任すぎる」
私は苦笑した。
そういえば日向が運転する姿なんて初めてだ。もっとも彼女は航空戦艦だから戦闘機も同時多発的に操れる。運転なんて軽いだろう。つくづく艦娘は器用だな。
祥高さんは言う。
「無線担当として寛代ちゃんも同行しますが……宜しいですね?」
「やっぱり」
「は?」
「いや、なんでもない」
私は慌てて取り繕った。
まあ二人っきりじゃないから仮に境港で幼馴染とかに出会っても問題ないか。日向と夕立もいるから他人が私たち一行を見ても妙な誤解は招かないだろう。
祥高さんは内線で車庫に連絡を居れた。既に日向と寛代が準備出来ている。手回しが良いな。
「では、ご案内しましょう」
祥高さんが立ち上がる。
「ああ」
私も制帽を持って立ち上がった。半ば強引だが彼女のやっていることに無駄はない。冗談抜きで作戦参謀みたいなものだ。こうなったら大人しく従うしかない。
その時、祥高さんがカギ付きのロッカーを開けて何かを差し出した。
「使い方は、ご存知ですよね」
それはホルスターに入った南部の拳銃だった。
「念のために」
「そうだな」
私は受け取ると上着を脱いでホルスターを装着した。
車庫に降りると日向と寛代が軍用車の前で敬礼をした。
「日向、運転を担当します」
「寛代……無線」
「ああ」
やや無愛想に返事をした私だったが、この二人は気にしないタイプだな。
私は後部座席に座った。夕立が同じく後部座席の私の隣に座った。改めて彼女を横から見ると、すごくアカ抜けた娘だ。山陰の田舎じゃ、こういう明るいタイプの女子は絶対に見かけない。オマケに金髪に青い目。外人さんだよ。
しかもその短いスカート。ちょっと気を付けて欲しい。考えるまでもなく艦娘って何故? ……スカートの丈が軒並み異様に短い娘ばっかりなんだ?
前から疑問だったが……まあいい。今さら誤解されても困るから基本的に無視だ。仏像のように無関心、無視でいこう!
そんな私のギコチ無さに気付いた夕立がこっち
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