0027話『重巡棲姫打倒、疲れる視線』
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わらわ達が出発して、大湊警備府に着いた時に、阿賀野の言っていた事を思い出す光景があった。
ちと、そうじゃな…。
視線がつらいというべきか。
「ヘイ、初春。感じましたカ?」
「そうじゃのう…。ちと視線がつらいかの」
金剛に聞かれて素直に答える。
そう、艦娘だけの嫉妬の眼差しなら覚悟していた事なのだけれど、各々の提督達の視線が険しいモノじゃからな。
「はんっ…どうせ俺達の力をまだ信じ切れていないんだろうよ」
そう言って木曾は気持ちが幾分楽そうに構えていたが、それでも少しテンションが下がっているのは分かった。
「これは早々に重巡棲姫との決着をつけるべきじゃな」
「そうね。蒼龍、この視線の中は辛いものがあるわ」
そんな話をしながらも現地の提督達の説明を受けながらも私達は大湊警備府を出発して、重巡棲姫がりうであろうエリアへと向かっていった。
そして道中少しばかり手こずりながらもなんとか目標地点に到着すると、そこにはいつものように重巡棲姫が表情が少し固めながらも構えていた。
「よし! 蒼龍、いきます!!」
そう言って蒼龍が制空権を確保するために艦載機を発艦させていく。
だけどやはり新型の敵の艦載機…見た目は蝙蝠のような形でギョロっとした目をしていて少し気持ち悪いのう…。
制空権確保の争いは過酷を極めているようで少し蒼龍の表情はきつい。
だけどしばらくして、
「制空権確保! みんな、後は頼みました!」
「オー! 蒼龍ナイスデース! 皆さん、攻撃を開始しますよ!」
「ちょっ!? 私が旗艦!!」
霞が少し煩かったがそれで戦闘は開始されてしばらく経過し、
「コノ…ノコノコト…ヤクタタズドモガ…キエロ!!」
重巡棲姫が本気を出したらしく戦線も苦しくなってきて、それで蒼龍が一撃を食らって大破してしまう。
だが、なんとか夜戦にまで持ち込めてさすがというべきか最後は那智が決めてくれた。
「この一撃で、沈め…ッ!!」
那智の砲撃が重巡棲姫に突き刺さり、
「ヴェアアアアアーーーー!!?」
重巡棲姫の叫びが聞こえてきて次の瞬間には重巡棲姫は光となって消えてしまった。
「作戦終了だな」
「わかったわ。司令官? 重巡棲姫を打倒したわ」
霞が提督と無線で会話をしていて、
「よし…。それじゃ一回大湊警備府に戻って報告をした後、帰投しましょう。
またあの視線に晒されるけど我慢してね…?」
それでわらわ達は大湊警備府へと向かって報告をした後に鎮守府へと帰投していった。
精神的に疲れる戦であったのう…。
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