加速
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キくん。キリトくんも」
立ち上がったシリカの叫びめいた返答がキリトの家に響き渡り、今度はこちらが何も言えなくなる番だった。シリカもすぐにおずおずと座っていったが、代わりのようにアスナが優しい口調で語りかけてきた。
「さっきルクスさんも言った通り、リズは私たちにとっても大切な親友だから」
「……無茶、しないでくれよ」
「リアルであんたを殴り倒せる奴なんか、頼まれたってリーファぐらいしか近づかないわよ」
「うん! 見つけたら……ごめんなさい……」
アスナの子供に言い聞かせるような優しい言葉と、それに反比例するような強い意志を感じて、不承不承ながら観念したように呟いた。シノンの冗談めかした言葉に、反射的に昨夜にエイジにやられた肩と腹に手を当てていると、キリトと同時にリーファのことを睨みつける。確かに剣道の有段者たる直葉なら問題ないかも知れないが、何があるか分からないんだ、という警告を込めて。
「グウェンにも声をかけておくよ。きっと、力になってくれる筈だ」
「俺は……ユイと一緒に、エイジってプレイヤーのことと、今回の記憶喪失の件について調べてみようと思う」
「頼む」
ルクスはグウェンに助太刀を、キリトは自分に出来る調査を。男手が減るといった意味では下策だが、菊岡さんというパイプがあることも含めて、このような調査はキリトが一番の適任者であることは疑いようもなかった。
「でも、そのエイジってプレイヤーを探すにしても、どうやって探せばいいんですかね?」
「やっぱり、ボス戦に参加するしかないんだろうけど……」
『任せてください!』
今までボス戦の場所に送ってくれていたクラインに連絡が取れない今、そもそもボス戦にどうやって参加すればいいのか。アスナの言葉の先は、言わずとも全員が共有していた――ところで。キリトの肩の上で動向を見守っていたユイが、急に飛び上がったかと思えば空中にマップを表示していた。素人目にも東京のマップのようだったが、二カ所ほどに光点が輝いていた。
『今までのボス戦の出現場所からデータを取りました。次のボス戦の場所は、この二カ所です!』
「ここですよね?」
「うん、ユイちゃんが言った通りなら……」
こうしてユイのデータのおかげでボス戦の出現場所も分かり、俺たちは二手に別れてエイジを探しだした。こちらにはアスナとルクスにシリカに俺、そして向こうにはシノンとグウェンと直葉が向かっている。キリトは自前で調査しながら、何かあればバイクで駆けつける役目を担っている。
ユイが予想した今回のボス戦の場所は、大型ショッピングモール。その中央には充分な広さのステージがあり、あそこなら確かにオーディナル・スケールも可能だろう。空中には通信緩和の為のドロ
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