第31話
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一人では出来ないことも、誰かと力を合わせれば出来る。大層な事を言っているようで実は当たり前の事を言っている。
だと言うのに、眼前の二人は目を輝かせている。
「よっし、ミラ!サッサと避難しておっちゃんみたくならないとな!行くぞ!」
「うん!バイバイおじちゃん!」
無邪気に手を振って、ゼロ達はようやく安全なルートで避難しはじめた。
さて、次は退場する番か、とは思うが、センサーが周囲の反応を拾っている。どうやら白騎士を諦めて俺に狙いを変えるようだ。
「悪く思うなよ、正当防衛ってヤツなんだ。」
景気良く離陸し、追ってくる戦闘機の大半を背後にまとめ、さらに加速。 一気に超高高度まで上昇し、身を翻し、戦闘機目掛けて赤くなったエネルギーを纏って体当たり、赤い一筋の光線になった俺は、戦闘機を破壊しながら、この場から消えていった。
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その日、本来ならば白騎士事件と呼ばれるその出来事は、突如として出現した謎の存在が、多数の戦闘機を瞬く間に破壊してまた突如として消え去った一大事として取りざたされた。
世界が情報収集に奔走した結果、その存在も白騎士同様ISの可能性があることと、戦闘機を破壊した時の光景からこう称され、事件をこう命名した。
『空駆ける彗星』、『彗星事変』と。
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「よっ…、と!日付とかは…、大丈夫そうだ!」
白騎士事件の現場から攻撃的に撤収し、俺は無事に試験会場の前に立っていた。少し前に一夏が歩いている、何気無く試験の話を振って接触するかと足を向けたその瞬間、
『危ない!!』
誰かの声の方を見てみれば、固まっている制服姿の、恐らく中学の制服の葵が居た。すぐ近くまでダンプカーが迫っている、運転手は…居眠りしてるのか!?普通にやってたら間に合わない…、ああもう!!俺の人生ダンプカーと縁ありすぎだろ!
迷う暇なくヴァンガードを展開し、葵とダンプカーの間に飛び込み、ダンプカーを受け止める。ええい重たいな、チクショウ!
「き、君は…!?ISは女性しか…」
「そんなことはどうでもいい!!安全を確保しろ!」
「こ、腰が抜けて…動けないんだ…」
「そりゃ大変だ、なっ!!!」
ヴァンガードのスラスターを噴かせば容易くダンプカーは押し返せるが、後ろには葵がいるのでそれは出来ない。なら、力ずくでやるしかない!
「こぉぉんんのぉぉぉ!!やぁぁっってぇぇぇ!!!やるぜぇぇぇ!!!」
「ダンプの前を持ち上げた!?ISなら不可能ではないが、彼は一体…?」
葵が何か呟くが、気にしている暇はなく、前を持ち上げられて姿勢が変わった運転手がお目覚めのようで、ビックリしながらもブレーキをかけてくれて、なんとか大事なく済んだ。…葵は。
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