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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
112部分:第十話 張飛、また馬超と会うのことその十一
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第十話 張飛、また馬超と会うのことその十一

「けれどこれで証文はなくなったのだ」
「自白もしたしな」 
 形成がはっきりとしたのだった。もう三人には何もできなくなっていた。
 そしてである。張遼もその三人に対してまた告げた。
「さっさと去ね」
 一言であった。
「もうあの姉弟の前に出るんやないで!」
「は、はい!」
「わかりました!」
 三人は背筋を伸ばして敬礼して応えた。そのうえで逃げ去ったのだった。こうして姉弟は助かったのであった。
 だが二人は屋根の上にいたままだ。いるのは二人だけだった。
「あれ、何時の間にかいないね」
「そうよね」
 馬岱が許緒の言葉に頷く。
「気付いたら何時の間にか」
「何処に行ったのかな」
「まあそのうち出て来るさ」
 馬超は誰かわかっていたので落ち着いたものだった。
「すぐにな」
「しかしおかしな奴なのだ」
 張飛はまだわかっていなかった。顔がいぶかしむものになっている。
「風の様に現れて風の様に消えたのだ」
「ってまだわからないのかよ」
 その張飛に少し呆れて返す馬超だった。しかし何はともあれ話は終わった。 
 そしてここでだ。関羽とナコルルが一行のところに来た。
「ああ、ここにいたのか」
「探しましたよ」
 二人は一行のところに来て言ってきた。
「だがどうやらいいことをしたみたいだな」
「それに馬超さんもおられたのですね」
「ああ、久し振りだな」
 馬超もナコルルを見て言葉を返す。
「あんた達もいたのか」
「はい、お元気そうで何よりです」
「それに他にもいるな」
「うむ、そうだな」
 今度は趙雲がさりげなくを装って出て来た。
「見たところ皆武芸者だな」
「私は馬岱」
「僕は許猪だよ」
 まずは二人が名乗った。
「馬超姉様の従妹です」
「僕は旅の武芸者だよ」
「それでうちは張遼や」
 彼女も名乗ってきた。
「うちも旅の武芸者や」
「そうなのか」
 関羽が彼女を見てふと言った。
「貴殿もなのか」
「そや。しかしこれからどないするかやな」
 張遼は今度は自分の身の振り方について考えた。
「何時までも旅の武芸者なのもあれやし。そろそろ誰かに仕官しようかいな」
「誰にするの?」
「そやな。何か最近擁州におもろい面々が集まってるらしいし」
 許緒に応えての言葉だった。
「そこの領主さんのところにいこかいな」
「じゃあ僕も誰かのところに行こうかな」
 も彼女の言葉を聞いてふと考えたのだった。
「曹操さんのところがいいっていうし。そこに行こうかな」
「そうか。そやったらここでお別れやな」
 張遼は許緒のその言葉を受けて顔を向けた。
「縁があったらまた会おな」
「うん、またね」
 許緒は明るく言葉を返した。

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