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提督はBarにいる。
実録!ブルネイ鎮守府24時・その4
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『あの男は江 俊龍(ジャン・チュンロン)。最近勢いの有るチャイニーズマフィアのボスですよ』

 へぇ、チャイニーズマフィアのボスなんですか。って、それとってもヤバい人なんじゃないんですか!?

『えええぇと、それってかなりマズくないですか大淀さん!』

『そうですか?ウチの提督と関わってると、そういう知り合いは自然と多くなりますからね。慣れましたよもう』

 えぇ……提督さんは一体何者なんですか。というかそのマフィアのボスが、ウチの鎮守府に何の用なんでしょうか?

「なら話は早いネ。今日はウチからビジネスの話持てきたよ」

「ビジネス?」

「そうネ。アナタブルネイに駐留してる米軍から武器を買い付ける話してる聞いたヨ?それをウチにも回して欲しいネ」

 そんな話が進行してたんですか!?っていうかそれって本部に知られたらかな〜りマズイんじゃ……。

「どこで聞いた話か知らんけどねぇ、ウチは武器商人じゃねぇんだよ江さん。あれはウチが使う為に売買の契約を交わしたブツだ」

「金の心配か?大丈夫ネ、それなら満足するだけ用意するヨ」

「……寝惚けた事抜かしてんじゃねぇぞ、髭豚ァ」

 瞬間、提督の声が低く唸る様な声に変わります。向かい合っている江という男の人は青ざめて、カタカタと震えています。

「裏社会は弱肉強食、あこぎな真似して稼ぐなたァ言わねぇ。だがな、それでも踏み越えちゃ行けねぇ領分って物があんだろ?なぁ?」

 そう言いながら提督は懐から拳銃を取り出して、ゴリッと江の額に押し付けます。瞬間的にの護衛も拳銃を抜き、提督を狙っています。

「おぉっと、動くなよ?俺を撃った瞬間、ウチの連中とこの国のチャイニーズマフィアは戦争状態になるからな?そうなったら負けるのはどっちか……よく考えて行動しな」

 そう言われた江の護衛は、大人しく銃を下げました。チャイニーズマフィアがどれだけの規模があるのか知りませんが、300を超える艦娘と全力で戦えるだけの戦力は無い筈ですから。当然と言えば当然でしょう。

「元々お前さん、クスリの売買やら密入国の斡旋やらで小汚なく稼いでるらしいじゃねぇの。ウチと元々付き合いのあった連中からもクレーム入ってんだよねぇ〜?」

 提督が親指でガチリ、と撃鉄を起こします。後は引き金を引けば、弾が飛び出します。

「ひっ、ひいぃ……!こここ、殺さないでくれぇ!」

「狼は肉食、豚は雑食だ。互いに獲物が違うから共存は可能だ……だがな、後からノコノコやって来た豚が残飯を喰わずに新鮮な肉に手を出すってんなら狼は容赦しねぇ。この言葉の意味解るか?」

 江は怯えきって、コクコクと頷くだけだ。

「そうか。ならいい……大淀、お客がお帰りだ。玄関まで見送ってきてくれ」

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