暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
実録!ブルネイ鎮守府24時・その4
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
てきたのよ」

 うーん……他の鎮守府にはない、特色?

「成る程、深海鋼の砲弾という訳ですか」

「流石はよどっち!閃きがするどい!」

 成る程、深海鋼の砲弾……。私も基礎訓練が終わった時にアーミーナイフを頂きましたが、アレを砲弾にしたんですか。

「理論上は1000m先から姫級の装甲ブチ抜いて、1発で中破に追い込める位の威力なんだけどねー」

「え、凄いじゃないですか!」

「でもねぇ、それ戦車に積む意味ある?って話なのよねぇ」

 言われてみればそうです。戦車に出番があるなんて、敵に相当攻め込まれた状況でもないと有り得ません。

「じゃあ、かなりの無駄って事ですか?」

「まぁ、開発費は陸さん持ちだし?私も研究の応用できそうだから、完璧無駄って訳でも無いんだけどねぇ」

 夕張さんは気楽そうに、ケラケラ笑っています。そんな話をしている内に貨物船に戦車の積込が終わり、出港するようです。そこにちょうど、警備班の娘がやって来て『提督に来客だ』と告げました。

「さて、こっからが本日のメインイベントみたいなモンだな」

 提督は楽しそうに、笑っています。……ちょっと怖いです。




14:00 【提督の恐ろしい所を垣間見ました】

 来客が来たと告げられ、急いで本館に戻ります。途中、本館の玄関先に黒塗りの高そうな車が何台も停まっているのを見かけましたし、その近くには厳つい(提督には負けますが)男性の方々が立っています。一体どういったお客様なのでしょう?執務室に戻ると、ソファに腰を下ろして紅茶を飲んでいる方が一人と、その護衛でしょうか後ろにダークスーツを来た男性が2人立っています。

「お待たせしたかな?」

「いやいや、大丈夫ヨ。お陰で美味しいお茶頂いたネ」

 ソファに腰を下ろしていた方は、独特なイントネーションのしゃべり方です。日本人かと思いましたが、どうやら中国系の方のようです。

「初めましてアルな?ワタシーー」

「いや、名乗らんでいい。アンタの事はよ〜く『知ってる』よ江(ジャン)さん」

 名乗ろうとしたその男性を右手で制した提督が、事も無さげに名前を告げました。どうやらその名前が正しかったようで、その男性ーー江さん?は驚いています。そのタイミングで男性を観察してみましたが、かなりの大柄でソファが大きく沈み込んでいます。と言っても提督のように引き締まった身体ではなく、提督を熊や虎、狼に例えるなら……失礼ですが豚さんのように肥え太っておられます。


『あの、大淀さんはあの人が誰か知ってるんですか?』

 提督の背後に控えて立っている状況なので、隣に立っている大淀さんに小声で尋ねてみました。何となくですが、大淀さんは知っていそうな気がしたので。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ