第1話<艦娘の故郷>
[1/3]
前書き [1]次 最後 [2]次話
「艦娘って、帰省するのか?」
----------------------------------
マイ「艦これ」「みほ2ん」
第1話 <艦娘の故郷>(改2)
---------------------------------
美保鎮守府の朝。私は執務室に居た。
「今朝も良い天気になったな」
書類を置いて事務作業を中断した私は軽く腕を伸ばす。それから立ち上がって執務室から美保湾を望んだ。開け放った窓からは緩い風が流れ込んでいる。
昨日は、まさかの港湾内での激戦。鎮守府の全員が徹夜だった。それでも敵を撃退したから良かった。
結果的には呉や神戸、舞鶴の作戦参謀たちも巻き込んでしまった。そんな彼らも昨日のうちに全員無事に所属の鎮守府へ送り出した。
個人的には舞鶴との間にあった誤解が解けて良かった。
ついでに彼と北上との確執も
「……まあ、解決されたのかな?」
私は苦笑した。
「そういえば、あいつの」
私は頭に手をやって思い出す。彼の兄……軍で医師をやっているという人物が気になった。問題児なのだろうか?
「まあ良いや。それは追々調べていこう」
私は頭を振った。せっかく良い気分なのに面倒なことは御免だ。
「さて……と」
私は再び机に戻る。
実にバタバタした数日間だった。挙句に戦闘か……。
それでも昨日のドンパチ分の軍令部に出す報告書は秘書艦の祥高さんと一緒に突貫工事で片付けて昨日のうちに提出した。その後は特に軍部からも内容への物言いは付いていない。だから今朝は気分的にもホッとしているのだ。
今朝から埠頭では重機の音が響く。昨夜攻撃されて破壊した南埠頭を修理しているのだ。美保鎮守府で特定契約している地元の土建業者が入って工事をしている。一部は昨日から早速入って貰った。埠頭さえ元に戻れば直ぐにでも艦隊運用が再開出来るわけだ。
そもそも昨日みたいに港湾内で戦闘を、おっ始めたら施設だけでなく艦艇にも多少の被害が出ていたはずだ。でも艦娘は本人たちが鎮守府内で逃げ回れば何とかなる。実際、昨日の艦娘への被害は皆無だった。
「そうか艦娘には、そういう利点もあるんだ」
私は自分で納得した。そう思うとなぜか得意そうな、あの青年将校の顔が思い出された。艦娘は不思議な存在だな。
一昨日の彼とのやり取りにも、しっかり応対してくれた祥高さん。彼女は、さっきから戦闘やら、その後の艦娘の着任処理の調整で鎮守府内を走り回っている。
本当にタフな秘書艦だと思う。それでいて文句も言わない。彼女は、どちらかといえば寡黙なタイプだ。こういう部下は指揮官としては助かる。
私は机の上を見た。そこには祥高さんが置いた『南埠頭修繕工事計画書』というファイルがあ
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ