ガンダムW
1685話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
元々、ただでさえサンドロック、ヘビーアームズ、マグアナックと高性能MSが揃っている中で、そこにエンデュミオンの鷹という存在が参加したのだ。
当然のように財団派の戦力は不利になり……やがて、どうあっても自分達の負けを覆す事は出来ないと判断したのだろう。
先程俺に通信を送ってきた財団派の兵士が乗っていると思しきトーラスが、その場から逃げ出そうと空中でMA形態に変形する。
「させると思うか?」
瞬間、ミロンガのスラスターを全開にして、一気に逃げ出そうとした財団派のトーラスとの距離を縮める。
エナジーウィングを使用出来ず、本来の加速性、運動性、機動力を発揮出来ないミロンガ改だったが、それでもトーラス程度のMSに振り切られる程に性能は低くない。
テスラ・ドライブとブラックホールエンジンが生み出す推進力は、最大性能を発揮していない状態であっても、ガンダムと同程度……いや、それ以上の性能を持つ。
……まぁ、純粋な攻撃力という意味では、サンドロックはともかくヘビーアームズよりは大分劣るんだが。
ともあれ、映像モニタではMA形態で逃げ出すトーラスの姿が見る間に近付いてくる。
向こうもそれは理解しているのだろう。何とか死という運命から逃れようと、オープンチャンネルで叫ぶ。
『来るな……来るなぁっ! 私を殺していいと、本気でそう思っているのか! 私は、これでもロームフェラ財団に連なる者の親族だ! そんな私を殺して、ただで済むと思っているのか、この平民風情がぁっ!』
「そうか、なら……貴族らしく誇り高い死にざまを見せてみろ」
そう呟き、逃げているトーラスを追い越すとテスラ・ドライブとスラスターを使って強引に半回転する。
普通の人間なら、とてもではないが耐えられないGが襲うが、物理攻撃が無意味な俺にとって、この程度のGは全く問題にならない。
そのままビームサーベルを引き抜き……
『待って下さい!』
制止するカトルの声がオープンチャンネルで聞こえてくるが、俺はそれを意図的に無視してそのまま突き出す。
一直線に突き出されたビームサーベルは、あっさりとトーラスのコックピットを貫く。
カトルが何で俺を制止したのかというのは、大体予想が出来る。
今消滅したパイロットが口にしたように、ロームフェラ財団に連なる者であれば人質として……あるいは情報源として使えただろう。
もしくは、カトルの性格を考えればここで殺すような真似をしたくなかったのか。
そんな風に色々な理由があるのだろうが、それでも俺がそれを聞くつもりはなかった。
そもそも、俺は中東連合に所属している訳ではなく、あくまでも純粋に財団派に対して敵対するエンデュミオンの鷹なのだから。
ここでそのポーズを崩さず、俺という存在はあくまで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ