アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
ゼスタ事変@
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髪の少女もいる。
ーーーーなのはの見舞いを終えたフェイトとはやてであった。
「……っ、(何でここに!?どこからか行動を読まれた?そんな馬鹿な!?)」
暁人はここに高町なのはが入院している事を知らない。フェイトとはやても暁人がここに来る事を知らない。何の悪魔的な運命の悪戯か、両者は天文学的な確率の偶然でここで遭遇した。
「あ、保護者の方ですか?済みません私の不注意……で……?」
「ッ、この人は!?」
二人も暁人に気付き、顔色を変える。咄嗟にデバイスに手を伸ばしかける二人。だが、
「(止めとけ。街中で戦う気か?)」
暁人が念話で告げた一言に踏み留まる。
「(それにこの距離なら、俺の方が早い。)」
「(………ハッタリ、ですね。あなた今、魔力をかなり封印しているでしょう。)」
現在指名手配中の暁人。当然、魔力の固有パターンも知られており、探知されている。それを掻い潜れているのはリンカーコアにリミッターを掛け、魔力を一般人並みに制限しているからだ。
しかし、
「(生身の人間を仕留めるのに、態々魔力なんか要らない。お前達がデバイスを取り出して起動、バリアジャケットを展開するのにおよそ2秒。それだけあれば、どっちかは素手でも倒せる。)」
暁人の言葉に嘘はない。暁人程の技量があれば、二人が魔法を使う前に首を圧し折るぐらい訳はないのだ。
「……俺、ちょっとこのお姉さん達と話があるからな。二人で先、行っててくれ。」
名前は呼ばずに、氷雪をこの場から遠ざけようとする暁人。しかし、
「…お兄ちゃん、ナンパ……?」
「うん?」
「へっ?」
「えっ?」
「はあ?」
上から順に暁人、ミミ、フェイト、はやての順である。
「な、な、な、ナンパ!?」
「ちょ、落ち着きやフェイトちゃん!いくらなんでもこの状況でそれはない!……ない、よな?」
「ないから安心しろ。」
「……御主人様、 ナンパはいけませんよ。」
「ナンパ…駄目。」
「だから違うって。」
氷雪の爆弾発言により、かなり緊迫した修羅場になる筈が、どこか緩い空気が漂い始める年の暮れだった。
「……で、君は何でこんなところにおるん?」
「話すと思うか?」
膠着状態。現状を表すのにこれ以上的確な言葉もないだろう。この場で仕掛けるという事はすなわち市街地でいきなり魔法戦を始めるという事だ。互いにとってリスクが高過ぎる為に、思った様に動けない。
「名前は?目的はなんや?」
「……随分と聞きたがりなんだな。」
無意味と知りつつ言葉を重ねるはやてに皮肉気味に返す暁人。年中冷え込んでいるアージェントだが、今は殊更
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