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レーヴァティン
第六話 神殿その三

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「俺達がここまで来た理由のな」
「刀剣がある」
「急にこの世界まで来て」
「その最初の目的のところまで来た」
「そうだよな、何かな」
「感慨が出て来たか」
「ああ」
 微笑んでだ、久志は英雄に答えた。城壁を見上げつつ。
「本当にな」
「そうか、俺もだ」
「御前もか」
「長い様で短かった」
 ここに来るまでの旅はというのだ。
「色々あったがな」
「しかしな」
「ここまで来た」
「それでだよな」
「感慨がある」
 英雄にしてもというのだ。
「そして後はだ」
「神殿の中に入ってな」
「剣を抜くぞ」
「そうするか」
 久志は英雄の言葉に頷いた、そしてだった。
 二人で城門のところにいる兵士達に声をかけた、そうしてだった。自分達がここに来た目的を話した。するとだった。
 兵士は慣れた様な笑顔でだ、二人に言った。
「ああ、わかったよ」
「じゃあ今からな」
「神殿に行きな」
 実に軽い口調での返事だった。
「そして挑戦してみな」
「ああ、そうするな」
「今日も結構いるがな」
「俺達みたいに刀か剣を抜きに来た奴がか」
「もう何人もいるんだよ」
 実際にという返事だった。
「今日だけでもな」
「それで抜けた奴はいるかい?」
「いると思うかい?」
 兵士は明るく笑ってだ、久志に答えた。見れば鉄の鎧と兜は久志達が着けているのと同じ様なものだった。ただ手にしているのは刀剣ではなく槍だ。
「果たして」
「そりゃ俺達が抜くからな」
「おっ、そう言うか」
「駄目かい?」
「いやいや、その自信気に入ったぜ」
 兵士は久志のにやりとした笑みでの言葉に同じ笑みで返した。
「あんたみたいなのが抜けるかもな」
「剣か刀をか」
「ああ、ちなみに剣はこの島に昔からあるものでな」
「昔からか」
「そうさ、岩に刺さっててな」
 どうした状況なのかもだ、兵士は久志に話した。
「使える者が抜いたら炎を出せるらしいな」
「炎をか」
「神でも魔神ででも何でも焼き尽くす炎をな」
「そうした伝承なんだな」
「それで刀の方は東の島から流れてきてな」
「刀はそっちか」
「鞘に入っていてな」
「それを抜いたらどうなるんだ?」
 久志は兵士に刀のことは自分から聞いた。
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