第六話 神殿その二
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「今はまだな」
「俺達にはないな」
「諦めるしかない、それは」
「そうなるか、まあ馬に乗ってるだけでも全く違うし」
「それならだな」
「これでいいか」
「そうなる、ではだ」
英雄は久志にあらためて告げた。
「行くぞ」
「ああ、次にまた敵と会っても」
「馬上から戦う」
「そうしていくか」
「馬や俺達が傷つけられる前に倒していくぞ」
「迅速にだな」
「突進してそうして倒す」
敵をというのだ。
「一気にな」
「馬で突っ込んで驚かせてか」
「それも騎兵の戦い方だしな」
「わかったぜ、じゃあな」
「神殿に向かうぞ」
「そうするか」
こうしたことを話してだ、そのうえでだった。
久志と英雄は馬に乗りパンシャを連れたまま神殿に向かっていった。途中に村や町を一つずつ通ってだった。
遂に神殿の前まで来た、神殿は町の中にあり町は壁に囲まれていたが。
その壁を前にしてだ、久志はこんなことを言った。
「頑丈そうだな」
「まさに城だな」
「城塞都市ってやつだな」
「欧州や中国、中東の城はわかっているな」
つまり大陸の城だ、もっと言えば欧州からの移民が作った国であるアメリカにおいてもこのことは同じだ。
「町を壁で囲んでいる」
「町イコール城ってことだな」
「これまでの町もそうだったな」
「ああ、城だった」
「日本の城は大陸では砦だ」
「そういうものだよな」
「城の周りに町があるのではなくだ」
日本の様にだ。
「その逆と言っていい」
「町を囲んでだよな」
「壁がありそれがだ」
「城なんだよな」
「守りに向いているしいざという時は町の人間を兵士に使える」
「それに統治の為にもだよな」
久志も英雄に言った。
「囲んだ方がな」
「人口がどれだけか把握しやすい」
「そのこともあってな」
「大陸の町は城になっている」
「そういうことだよな」
「そしてこの町はな」
「城壁がいいな」
高くしかも堅固そうだ、これまでの町とはそこが違っていた。
「塔もいいしな」
「だから守りも強い」
「それだけ町に力があってか」
「大事なものを守っている」
「そしてその大事なものがか」
「わかるな」
「ああ、神殿の中にあるな」
久志は喉をごくりと鳴らして英雄に応えた。
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