第三話 新たな天使
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ずだった。
────────ペチャッ。
俺の目の前から、女の子が消えた。
代わりに俺の足元にはボールのような物が転がっていた。
「あ、」
俺はそれの存在を瞬時に理解した。
そのボールのような物にはさっきの女の子が付けていた髪留めが付いており────いや、これってあの女の子の頭だよね?
「……なんで、」
さっきまで生きていた。
俺の手に触れていたその手は一体何処に行ったんだ?
なんで、女の子の頭が、俺の足元に転がっているんだ?
そして、なんで、俺は────「冷静」なんだ。
ここは恐怖する所だ。ここは泣き叫ぶ所だ。そんな場面で、俺は何故……無言で立ち尽くしているんだ。この女の子は生きようとしていた。そして、それを俺は助けようとした。そのはずだ。それなのに女の子は頭だけになっていて俺はそれを見下ろしている。女の子は俺を見つめていた。希望を得たその瞳は俺を見ていた。俺はその瞳を見て……何も思わなかった。
何も感じなかったのだ。
俺は生きている。
女の子は死んだ。
何故、死んだ?
何故、生きようとした女の子が死んだ?
さっきまで生きていた。生きようとした生きようとしていた女の子が何故?何故?
解らない。
分からない。
判らない。
でも、責めて。頭だけでも。
「これなら、寂しくないよね」
俺は女の子を母親だったそれの近くまで運び、隣に置いた。
「ごめん……こういうの、解んないんだ」
目を閉じ、両手を合わした。
「ごめん。俺、行くから」
そう言って、俺は走り出した。
クーデリアの元へ。母さんの元へ。
自分が、さっきの女の子みたいになる前に俺は走る。
死にたくない。生きて、母さん達に会いたい。そう願って走る。
生きる為に。母さん達と生きる為に。
……。
…………。
────ガガガッ。
響き渡る銃音。その音は大きく、普通の銃の発する音ではない。それはモビルスーツのライフルの発射音だ。
ギャラルホルン 最新鋭機?グレイズ・マイン?
グレイズフレイム採用型。グレイズの上位互換とも言えるギャラルホルンの主力モビルスーツだ。
見た目はグレイズフレイム?グレイズ?と殆ど変わらず、特質した点はない。あるとすればグレイズフレイムの特徴である汎用性だ。元から汎用性の高いグレイズを更に強化し、どんな状況下でも活動できるモビルスーツとして開発された。武装も、グレイズの物とさほど変わらず、威力を上げたライフルと近距離用のアックスのみ。
遠距離ならライフルで応戦し、近距離ならアックスを叩き込む。市街地でのモビルスーツ戦用の装備だ。市街地では逃げ遅れた民間人や建物の損害を極力避ける為に威力の低い武装を装備する。かといって、それで戦闘
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