SIDE:A
第十四話
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内であるうちはの人々を惨殺していく。顔色一つ変えず作業的に命を刈り取るその姿はまるで死神のようで、サスケの目には兄の皮を被った何かに見えた。
見知った顔で築き上げた地獄絵図。そこらかしこに屍が横たわる中、イタチは真っ直ぐある家に向かった。
そこは、サスケの生家であり、イタチの家。
「まさか、嘘だよね兄さん……っ」
中に入ると、父が母を庇うように抱きしめながら侵入者であるイタチを睥睨していた。
そして、何か言おうと口を開く父を制するように、一息で間合いを詰めたイタチは――。
「やめてぇぇぇぇぇ――っ!!」
深く刀を突き刺し、母もろとも父を刺し貫いた。
「あ、あぁァ、ァァアアアァアアアアアアァァァァァァァ〜〜〜〜ッッ!!」
目を見開く父を冷たい目で一瞥し、刀を抜いた。胸から鮮血が噴き出し力なく倒れる両親。父の顔には『何故だイタチ』と驚愕と疑念の色が濃く浮かんでいた。
瞳術を解き、悪夢のような真実を目にしたサスケは気が付けば力なく地に伏していた。近寄ってきたイタチが腰を下ろす。
「ひっ……!」
強張った顔で兄を見上げるサスケ。氷のように凍てついた視線に晒され思わず息を呑んだ。
そんな弟の反応など歯牙にもかけず、冷たい目でサスケを見つめる。
その瞳にはうちはの代名詞である赤い三つ巴の文様――写輪眼が浮かんでいた。何度も見たことある兄の写輪眼だが、この時のサスケにはひどく不気味に思えてならない。
「どうして……どうして、兄さんが……」
震えながら、無様にも鼻水や涙を流しながらもそれだけを口にする。あの優しかった兄が急に人が変わったかのように皆を殺し、実の両親にまで手にかけるなぞサスケは未だに信じられなかった。
「――己の器を広げ、更なる高みを目指すためだ」
「器を、広げる……? 高みを目指すため……? それだけ……それだけのために、皆を……、父さんたちを殺したって言うのか……?」
震えながら腹の底から絞り出すように言うサスケ。変わらぬ静謐な目で弟を見下ろしながら、イタチは肯定した。
「そうだ」
ぴくっとサスケの肩が跳ね上がる。ギリッと歯を食いしめた。
「なんだよ、それ……ふっざけんなぁぁぁっ!」
跳ね上がる様に体を起こしたサスケは涙を流しながら拳を握りしめイタチに襲い掛かった。
冷徹な目でサスケを見据えていたイタチは無造作な回し蹴りを放つ。襲い掛かった勢いが相乗しカウンターの形で腹部を蹴られた。
「ぐぁっ!」
再
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