第8話 ついに動く次兄!俺の命は幻想郷の為に敢えて捨てよう
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かない場所だった。
見知らぬ場所で目を覚まし、宛も無く彷徨っていたトキは、数歩歩いた時点で吐血し、地に倒れ伏してしまった。
此処で果てるのだろうか? 悔いがないのかと言えば少しはある。
職に就けなかった事や愛するユリアへの想いを伝えてなかった事やその他にもあると言えばある。
だが、人間死ぬ時は呆気なく、そして一人ひっそりと死ぬものだ。
ならば、これも天命であろう。もしそうならば天命を受け入れ静かに己が生涯を閉じるべきか。
「だ、だだだ! 大丈夫・・・・ですか!?」
そんなトキに声が掛けられた。
声色からして女性と思われた。酷く驚いていたようで、仕切りにトキの背を揺らし安否を確認していた。
「あ、あぁ・・・大丈夫だ。どうやら天命はまだ私に生きろと言っているようだな」
「は??? あの・・・言っている事の意味が分からないんですけど」
「だが、救って貰った恩義には報わねばならない。それが我ら北斗の掟。ところで、此処は何処か分からないか?」
とまぁ、これが鈴仙とトキが初めて出会った経緯だったりする。その後、行く宛がないって事で仕方なく彼女が奉公している永遠亭に連れて行き、其処で医学の勉強をすると同時に彼が使える北斗神拳を医学の道へ使う事を目指し始めたのだったりする。
「でも、トキさんのツボ治療はすごいですねぇ。師匠もある程度はツボ治療出来ますけどトキさんのは師匠以上ですからね」
「北斗神拳は元来経絡秘孔を突いて相手を内部から破壊する拳法。だが、逆に柔らかく押せば肉体の本来持つ自然治癒能力を促進させる事が出来る。私の体ではもう伝承者になる事は叶わない。だからこそ、この残り少ない命を私の持つ腕と経験を活かし、一人でも多くの幻想郷に住む人々を救っていきたいnゴフッ―――」
良い話だったのに途中でまた吐血してしまった。そして、そんなトキの吐血を見てこれまた盛大に慌てふためく鈴仙。
そして、そんな二人を遠目から眺める人里の人たち。これが幻想郷の日常風景とも呼べたそうな。
だが、北斗の拳士達は勿論、幻想郷に住む者達の誰もがまだ理解していなかった。
この幻想郷に迫る黒く巨大な何かが居る事を―――
***
「おい、お前! 俺の名を言ってみろ!!」
「はぁ? あんだってぇ??」
その頃、密かに幻想郷支配を目論んでいた北斗神拳伝承者ケンシロウ(偽)は、目の前の老人相手に四苦八苦し続けているのであったそうな。
「だぁかぁらぁ、俺は北斗神拳伝承者のケンシロウだって何度言えば分かんだよクソジジイ!!」
「何じゃ、新聞の押し売りか? わしゃ字が読めんからいらん。帰っとくれ!」
「ちっがぁぁう! 新聞屋じゃねぇ!」
哀れ、と言うべきだろ
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