暁 〜小説投稿サイト〜
マイ「艦これ」(みほちん)
第68話<プライド>
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
東の空。そこにそびえる黒い大山を背景にして『彼女』がフッと、こちらを振り返った。

『……』
 埠頭にいた全員が息を飲んだ。悔しそうに逆巻く髪。そして何故か彼女の澄んだ瞳が妙に印象的だった。

「……」
 黙って彼女を見ていた北上も何かを感じているらしい。振り返った海上の『彼女』は明らかに北上と私を見ていた。

だが不思議と私は彼女を見ても今回は鳥肌が立たなかった。なぜだろうか?

「……」
 やがて彼女は大山の方向へ向き直ると、そのまま外洋へと去って行った。

「あれは本当に敵なんですか?」
神戸が不思議そうに言う。

呉オジサンも頭をかきながら言う。
「艦娘と同じや……女性型ってのもあるンやけど、ワシらにとっちゃ闘い難い相手っちゅうこっちゃ」

「へえ」
 若い彼は、まだ艦娘はおろか敵についてもほとんど知らない。だがそれは私だって同じだ。敵も艦娘も、まだ分からないことだらけなのだ。

「アンタ……そうなんだろう?」
北上が黒い大山を見ながら呟いている。

 敵の彼女については最後まで正体は分からなかった。
もし彼女が大井だとしても今後は北上とも一戦、交えることもあるだろう。敵とは言え、戦い難い相手だ。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ