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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第62話 偽りの笑顔
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る悪戯とは少しばかり違う。
そんな簡単な問題ではないのだ。
それは、ゆかりの種族。魔女と言う妖の歴史。根底の問題でもある。
そして、つくねは魔女のことを全く知らないだろうという事も判る。
この場で、ゆかりについて代わりに答えるのは出来るが、それをゆかりの前で言うのが正しいのか? と言われれば首を縦にはふれない。深い傷に、更に塩を塗り込む様な事になるからだ。
その長い歴史から積み上げられた深い傷が、負の遺産が、ゆかりをどういう目に合せていたのか。……周りから、どういう風に見られていたのかは、容易に想像できる。
出来るからこそ、それを考えるとそんなに責められないのだ。ゆっくりと言い聞かせるしか出来ない。そして この学園においても、あの委員長の事もあって環境が良いとは言えないから。
それでも まずは、歩み寄る事から始めよう、と思ったカイトは ゆかりの方を向いた。
「ゆかりちゃん。とりあえず謝ろう。今回は つくねには非が無い。ケガもしてるしな? だから、一言でも良いからさ。 そこから始めないか?」
カイトは説得をしようと。なるべく穏便に説得をしようとするが、ゆかりは何も言わずプイっと、背けるだけだった。
「(ん……これは時間がかかりそうだな)」
もっとゆっくりと落ち着いて話そうと思ったが、つくねはそうはいかなかった。
「モカさんも!
迷惑だって
(
・・・・・
)
言ってあげなきゃゆかりちゃんの為にもならないじゃないか」
「それは……そうなんだけど……」
慕ってくれるのは迷惑じゃないが過度なスキンシップはちょっと、と言った意味でのことだった。
でも、ゆかりにはこの言葉がかなりきいた様だ。
「(………っ! 迷惑………? モカさんまで………)」
その僅かにだが変わった表情を見たつくねは声を少し落とした。
「ゆかりちゃんも、こんなことばっかりやってたらいつか友達いなくなって 一人ぼっちになっちゃうよ!?」
その言葉に、ゆかりは体を震わせつつも反論をした。
「へ……平気です〜〜! だって、わたし天才ですから! レベル低い友達なんてこっちから願い下げですーーー」
そう笑いながら答えた。
それでも、目の奥は全く笑っていなかった。
「(………作り笑い。それもかなりムリした笑いだな)」
カイトはその笑顔に何もいえなかった。
でもつくねは、我慢できない様子で。
「ゆかりちゃん!!!」
声を更にあげて叱りつけた。
「それに………」
ゆかりは、つくねの怒声にも全く臆することなく答える。
「それにわたし……もともと一人ぼっちだし………」
それは、本当に寂しそうな笑顔だった。それ
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