102部分:第十話 張飛、また馬超と会うのことその一
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第十話 張飛、また馬超と会うのことその一
第十話 張飛、また馬超と会うのこと
関羽達は洛陽に入った。しかしそこは。
「ううむ」
「ここは一番酷いのだ」
関羽も張飛も洛陽の街を見て顔を曇らせていた。
「どうなのだ?この寂れようは」
「寂れるというか荒れているのだ」
店は何処も荒れており行き交う人々の顔も暗く貧しい身なりである。そんな街中を見てだ。一行はその顔を曇らせていたのである。
「袁紹殿や董卓殿のところは栄えていたのにな」
「それにだ」
キングも言ってきた。
「曹操だったな。そこの領地もよかったが」
「ええ、もうかなり栄えていてね」
「こことは全く違いました」
舞と香澄もそれを言う。
「こんな荒れ果てた様子ではなかったわよ」
「もう全く別でした」
「都は今荒れている」
趙雲も言ってきた。
「皇室の外戚にして大将軍の何進殿と宦官達の争いが続いている」
「それで内政にまで手が回っていないのだな」
「そうだ」
こう関羽に対しても答える。
「その通りだ。その結果だ」
「そうか」
「政治は行われているがそうした政治は行われてはいない」
こうも言うのだった。
「それが影響してだ。徐州や益州、交州にも牧が回されていない」
「大変な状況なんですね」
「そうだ、曹操殿や袁紹殿は何進将軍の側だが」
ナコルルに対しても話す。
「しかし二人共それぞれの領地で内政や異民族の討伐に専念している。宦官達を抑えるだけの武力は今の大将軍にはないのだ」
「董卓殿はどうなのだ?」
「あの方がこうした抗争を好まれるか?」
また関羽対して述べた。
「思わないな」
「そういうことか」
「袁術殿は自分のことにかかりきりだ。そして江南の孫策殿は」
他の領主達の話も出た。
「江南、揚州全域の掌握に懸命になっておられるという。それに」
「それに?」
「あの地域にも異民族がいる」
異民族のことも言うのだった。
「山越がな。そうした意味では袁紹殿と同じだ」
「ああ、袁紹ね」
舞も彼女の名前は知っていたのだった。
「確かあれよね。北の方の」
「そうだ、今四つの州を掌握し異民族の討伐を続けている」
それが今の袁紹の動きだった。
「匈奴やそうした者達をだ。もっぱら武力は使われずに帰順させそのうえで鍬を持たせているらしい」
「あれっ、異民族を討伐しないのですか?」
香澄は趙雲の話を聞いてふと問うた。
「学校の授業で習ったことですけれど漢王朝も異民族には苦労していたって」
「それは事実だ。だが何も戦うだけではない」
趙雲はその香澄にも話した。
「帰順させ自らの中に取り込むのも手だ」
「そうなんですか」
「袁紹殿はそれにより多くの民を手に入
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