101部分:第九話 陳宮、呂布と会うのことその十一
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第九話 陳宮、呂布と会うのことその十一
「我が子を喰らいそうして妖怪になりましたね」
「覚えていない」
「貴方が覚えていなくても事実はそうなのです」
男は腐れ外道に対してまた話した。
「私はそれを知っています」
「そうなのか」
「はい、そして貴方は」
「今度は何だ?」
「この世にいてはならない存在です」
こう彼に告げたのだ。
「我々が望むこの世界において貴方の様な存在は不要なのです」
「不要?おらが」
「はい、お引取り願います」
言葉こそ恭しいがそこにあるものは剣呑なものだった。
「そのまま消えてもらいます」
「おめ気に入らねえ」
腐れ外道はその男を本能的に嫌った。
「食ってやる」
「ふむ。やはりこうなりましたか」
己の倍以上もある異形の妖怪に食われると言われてもだ。男の平然とした態度は変わらない。それでこう言ってみせたのである。
「所詮はただの下等な妖怪。我等の目的を理解できませんか」
「くたばれ」
腐れ外道は高々と跳んできた。巨体からは想像できない敏捷さである。
その右手で襲い掛かる。だが男はそれに対して。
急降下してきた腐れ外道の方角にだ右手を軽くスナップさせた。するとそれだけでそこに無数の鎌ィ足が生じてだ。腐れ外道を退けてしまった。
「なっ!?」
「動きは全てわかっています」
全身に傷を受け吹き飛ばされた腐れ外道への言葉だ。
「わかっていればどうということはありません」
「おめ一体」
「私が誰かですか?」
相手が何を言うのかもわかっていたのだった。言いながらまた右手をスナップさせた。すると腐れ外道の周りに無数の竜巻が起こりそれが彼を撃った。腐れ外道は為す術もなく一方的に傷ついていく。
「そう、私はですね」
「人でないな。何だおめは」
「こういう者です」
言葉と共にであった。目が変わった。
青いその目の瞳孔が細い、糸の様になる。その目は。
「蛇!?それは」
「ふふふ、この目を見せたからにはです」
男はその目で言ってみせたのだった。
「貴方は確実に死にます。そう」
「ぬっ!?」
男は前に出た。そして腐れ外道の巨体を掴み上げた。恐ろしいまでの怪力だった。
その掴み上げた腐れ外道に対してあの竜巻を出した。そして言う言葉は。
「お別れです!」
「おめ、ここで何をするつもりだ」
腐れ外道の身体が無惨に崩れていく。その竜巻に削られていく。
肉も骨も砕け散っていく。その断末魔の中で男に問うたのだ。
「一体何を」
「人を滅ぼす」
男は滅んでいく妖怪に対して告げた。
「そうとでも言っておきましょうか」
「おめ、やっぱり人でないか」
「人?人とは愚かなものです」
人の姿を取っていながらの言葉だった。
「存在してはならな
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