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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第四十二話 悲劇、そして……
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なんだな………………………自分の恩人である()()()()()()()、なんて」





















………………………………………………………全の脳は、その言葉の理解を拒否した。

いや、正確には拒否せざるを得なかったといった方が正しいだろう。

なぜなら当然だ。月神東吾は全が仕事のし過ぎで意識が無くなっていた際に突如として裏の世界から足をあらったからだ。

そもそもだ。なぜ前世での出来事を聖は知っている?全はそこが気になっていた。

「何を、言っている……?」

「言葉通りの意味さ……お前、色々とやってきたみたいだけどそれでも恩人を殺すのはおかしいんじゃないか?」

「だから何の話だ!?俺が、東吾さんを殺す?そんな事、ある訳がない!!」

思わず声を張り上げる全。無意識の内に力がこもっていたのか全の右手からは少しだけではあるが血が滲んでいた。

「じゃあ、証拠を見せてやるさ。アルト」

『イエス、マスター』

聖は自身のデバイスに頼み、デバイスは空中にディスプレイを表示させる。

そこに写っていたのは背丈は今の全と同じ位の少年。しかしもう片方が異常だった。

男はうつぶせに倒れており、倒れている所からは赤色のナニカが見えていた。

そして男の後ろ姿を全は知っている。まぎれもなく、彼は月神東吾……自身に生きる事の大切さを教えてくれた恩師だ。

じゃあ、目の前の映像は真実……?

「これが証拠だ。お前の持ってる短刀には血がびっしりとついてるだろ?そしてお前の目の前には月神東吾が横たわってる……これが証拠以外の何になるって言うんだ?」

そんな聖の言葉は全の耳には届いてはいなかった。

もう、全は視覚から来る情報を遮断しているからだ。それに聴覚から来る情報も遮断している。

現実を受け入れたくない、そんなごく一般的な感情から来る無意識の行動だった。

「あんたがそんな事してるなんて信じられないけど……この映像を見て、本当に愛想が尽きたわ」

そんな中、るいの言葉が全の耳に届く。全は顔をゆっくりとるいの方に向ける。

るいはそんな全の表情など見向きもせず












『宮坂るい!止めろ!その言葉を、マイスターに言っちゃいけない!!!』










そんなシンの忠告も聞かず












「あなたなんか―――――――――――――――――生まれてこなければよかったのよっ!!!!!!」














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