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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第四十二話 悲劇、そして……
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机の上に置いてあった五つの写真立てを手に取り、上着の内ポケットに入れる。

(これさえあれば、俺はまだ頑張れる……)

全は安堵したがすぐに気持ちを切り替える。先ほども言った通り火の手はすぐにそこまで来ているからだ。

自室を出ていたのでは間に合わない。となれば、脱出口は一つ。

「窓から……出るしかないだろっ!」

全は自身の部屋の窓を開け放つと、一気に飛び降りた。高所から飛び降りるのは慣れていた為、全は難なく着地する。

全は着地した所から少しだけ離れると燃えていく我が家を見る。

(父さん母さん……二人の思い出の家、守れなくてごめん……)

全はそう心の中で両親に謝罪をし、その場を後にする。








数分歩いた後、近くにあった公園で水分を補給する。

「んぐ、んぐ、んぐ…………っはぁ……はぁ、はぁ……」

『マイスター、これからどうなさるんですか?』

全の体調を心配したシンが全に問いかける。

「何も考えていない……もう、考えることも出来なくなるかもしれないが……」

『え?』

「何でもない。あまり深く考えないようにしているだけだ」

(マイスターの様子が明らかにおかしい。深く考えないようにする?そんなのマイスターらしくない)

シンは不振に思ったが問いかけようとも全は何も言ってくれない事は既にシンも知っている為何も聞かない事にした。

「だが、本当にこれからどうするか……「お前にお似合いなのは、監獄の中だろうに」…………」

全がこれからの事を考えようとした最中、別の人間の声が公園に響き全は声を発した人物に向き直る。

「何をしに来た、()…………それにテスタロッサ達も」

全の前に姿を現したのは高宮とフェイト、アリシア、はやて、るいの魔導士組だった。なのはがいないのは未だに病院で手当てを受けているからだろう。そして全はテスタロッサ達と苗字で言った。

フェイト達、と言わないのは彼女たちに記憶がないからだが、それでも全からしてみたらとても心苦しい。

「何をしに来たとは心外だな……お前を逮捕しに来たんだ」

「俺は何もしていない」

「嘘をつくな!」

全の言葉にアリシアが真っ向から否定する。

「お前がなのはを……墜としたんだ!そうだろう!?」

目から涙を流しながら、アリシアは叫ぶ。他の面々もそれぞれ目に涙の跡がくっきりと残っていた。

「それだけじゃないだろ?」

ただ一人、聖だけは平然とそう言い放った。

しかし、全はその言葉に違和感を覚えた。

聖はこう言った。それだけじゃない。つまり全の罪は他にもあるという事だ。













「お前ひどい奴
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