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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0023話『春の作戦名、呼び出された第五艦隊』
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「提督からの呼び出しか…。何事だろうな。しかし、この時期だからこそだな」


私、那智は本日は提督に執務室に呼び出された。
深海棲艦が攻めてくるだろう時期に呼び出しを食らうという事は、おそらくそう言う事なのだろうな。
少し気分がよくなってきたな。
すると執務室にいく道中でおそらく私と似た感じで呼び出されたのだろう奴を発見する。

「おい、足柄。こんなところでどうした…?」
「あ、那智姉さん。うん、提督に呼び出しをもらったんで向かっているところなのよ」
「なんだ、お前もか」
「そういう那智姉さんもなの?」
「ああ。だからおそらく今回の戦いは…」
「そうね、少し楽しみになってきたわ」

それで思う。
提督はこの世界に来てからよくやっているものだなと。
あの衝撃的だった再会を目にして私の目に狂いはなかったと思わされたからな。
普通ならあそこまでできるものなどいないだろうさ。
だから信じてもらうために土下座までした提督の事はとても良く思っている。
………榛名の体で土下座をした事については後に言及しておかないといけないだろうけどな…。
そしてもし提督がもとの性別のままだったのなら背中を預けてもいいと思えるほどには私は信頼を置いている。

「足柄…」
「なに、那智姉さん?」
「今回も勝ちに行くぞ」
「当然よ!」

そんな話を足柄としながらも執務室へと足を踏み入れる。
そこには思った通りの奴らが招集されていた。
多摩に木曾、そして第一水雷戦隊の長である阿武隈が執務室に集まっていた。

「お、来たか。足柄に那智」
「待たせたか…?」
「いや、他の三人も先ほど来たばかりだからちょうどいいよ」
「そうか。……で、提督? 私達五人を集めたという事は今回の作戦名は…」
「ああ。大本営から発令されてきた事だが、今回の作戦名は『出撃! 北東方面 第五艦隊!』だ」

提督の言葉を聞いて私は加賀ではないが気分が高揚するのを感じた。
志摩艦隊を再結成するのかという気持ちにさせられる。

「深海棲艦が北東方面へ集結しているという…だから今回はおそらく君たちの活躍があると思う。
また辛い戦いになるだろうが、今まで何度も勝ちを拾ってきた私達なら大丈夫だろう」
「ふっ…余裕だな提督」

私が不敵な笑みを浮かべながら提督にそう問う。
それに対して提督も少し苦笑を浮かべながらも、

「そうでもないさ。でも、ゲームと違って今回からは日本を守らないといけない。
だから君たちにとっては本懐だろうと思ってな」

さすが、私達の事を分かっているな提督。
そう、かつての戦船だった頃の敗戦の記憶。
それを繰り返すわけにはいかない。
だから私達はこうして人の形をとって戦ってきたのだ。

「…提督。今回
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