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制服が邪魔をする
第四章
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、今ってね」
「今って?」
「凄く可愛いよ」
 歌い終わった私に笑顔で言ってきた。
「とてもね」
「可愛いって。お世辞?」
「俺お世辞言わないから。本当に可愛いよ」
「そんなこと言われたことはじめてだけれど」
「はじめてって。本当に可愛いよ」
「全然可愛くないわよ」
 私はこう彼に返した。少しむっとした顔になって。
「無愛想でいつも不機嫌で」
「最近かなり変わってきたから。それにね」
「それに?」
「今の服だってね」
 私の今の服もだという。今の私は白いフリルのあるミニスカートに黒と白のストライブのハイソックス、上着は淡い赤のブラウスと黒のネクタイ、そして紅のベレー帽、皆にこれが似合うと言われた格好をしてみた。この子の為じゃない。このことは絶対に言えた。自分自身に何とかにしても。
「可愛いよ」
「これ考えたから」
「俺の為に?」
「違うから」
 ムキになって彼に返した。
「私が自分に似合う服を着てるのよ」
「ふうん、そうなんだ」
「そうよ。あんたの為じゃないから」
 このことはとにかく断った。
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