暁 〜小説投稿サイト〜
ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-4 出撃!花の華撃団
[7/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
みを浮かべ、鋭くとがった爪を生やした手を地面の上に置く。すると、彼の足もとに怪しげな光を放つ魔法陣が展開される。
「オンキリキリバサラウンハッタ…オンキリキリバサラウンハッタ、オンキリキリバサラウンハッタ、オンキリキリバサラウンハッタ……」
周囲の人たちも当然気づき、あいつはいったい何をしているんだと、奇異の目で刹那を見やる。少なくとも彼が、まともではないことをしようとしていることを察した人が、恐怖を感じて離れていく。しかし子供たちは「すっげー!」と興味を抱いて近づく者さえいた。
「いでよ……魔の力を授かりし怪獣…『魔獣』よ!!」
刹那が叫ぶと同時に、その場から飛び退いた瞬間だった。
魔法陣から、昼間とは思えないような真っ黒な闇があふれ出て、天へと立ち上っていく。
やがてその闇は周囲を覆い、上野公園をたちまち混乱と恐怖に陥れた。大人から子供まで、パニックに陥る人々の叫び声を、刹那は強く快感を覚えた。
「ほらほら早く来なよ、帝国華撃団に赤い巨人。でないと…ここにいる人間、僕たちが皆殺しにしちゃうよ?」
せせらわらう刹那の背後から、彼の作った方陣を通して巨大な生物の影が、地の底より這い出てきていた。


ダストシュートから飛び出してきた大神は、床に落下した際に打った尻をさすりながら立ち上がる。その際、自分の着ている服がモギリ服から完全に変わっていることに気付く。ダストシュートを通っている間に自分の知らない間に着替えさせられていたのだ。さらに目の前に飛び込んできた光景に、彼は目を見開く。
巨大モニターに作戦会議用の長テーブル。そこはまさしく作戦会議室だった。
「これはいったい…」
「よう大神。なかなかよく似合うじゃねぇか」
自分を呼ぶ声に大神は振り返る。そこには軍服を着こんだ米田と、同じく戦闘服に着替えたさくらたち花組のメンバーたちと、椿・かすみ・由里の三人全員が揃っていた。
「米田支配人。これはいったい…!?」
「お前を騙すような真似をしてすまなかったな。今から説明してやる」
それから米田たちは大神に説明した。この帝劇は帝国華撃団の本部であり、歌劇団は世を忍ぶ仮の姿であること。普段の歌劇団としての活動は資金集めと、帝都の人々の心に安らぎをもたらして魔を鎮めるため。いざ降魔や怪蒸気が現れた場合は本来の任務である怪魔討伐に当たるということ。敢えて隊長に赴任することになった大神に、この事実を伏せていたのは、大神が軍人として以前に、この帝劇の生活と日常を愛し、そしてこの帝劇の仲間たちの身を強く案じることができる存在であり、決して犠牲を強いるような存在ではないことを確かめるためであるということ…これまで大神に秘密にしてきたことすべてを明かした。
「では、ここは本当に軍の…自分が配属予定だった帝国華撃団の本部だったんですね!?」
正直
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ