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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-4 出撃!花の華撃団
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兼ねて」
「新隊長ですか…私も聞き及んでいます。確か海軍出身の方で、大神一郎という方だとか」
同じころ、ジンとルイスは上野公園の桜並木の道を共に歩きながら互いに話していた。
ルイス…本名はフランシスコ・ルイス・アストルガ。花組と風組とは別に編成された、弱い降魔が成長する前に叩く、花組の負担を少しでも多く和らげるための部隊。彼はそこの現隊長を務めているという。
「けど、こうしてあの時の方と会えるなんて思ってもみませんでしたよ。あのときは、本当にありがとうございました」
「礼なんていいですよ、ルイスさん」
彼と会うのは、ジンが赤い巨人の力に目覚めたあの戦いの直前以来だ。あの時は互いのことを全く知らないままだったが、まさか互いに帝国華撃団の関係者とはお互いに驚かされたものである。
「花見、僕は初めてだからちょっと楽しみなんです」
「花見の経験はないのですか?」
「ええ、まあ…」
自分には記憶がないから、本当に初めてなのかどうかは不明だ。けど、記憶を失ってから初めての花見。自分の新たな思い出になるかもしれない。
「ところで、ルイスさんも花見の下見に来られたんですか?」
「いや、私は…仕事で来てるんですよ」
「仕事?」
「ええ。ジンさんも、以前ここで起きた怪事件のことはご存知ですよね?」
ルイスからの問いにジンは頷く。知っているも何も当事者だ。
「以前ここで脇侍たちが暴れた理由を調べているんです。彼らは人を襲う驚異という点では降魔とは変わらない存在ですが、人工物であるという違いがあります。おそらく何者かが何かしらの目的を果たすために造りだした可能性があります」
「なるほど…」
思えば、脇侍も見るからに人工物だ。無目的で作られたものとは考えにくい。もしただ暴れさせているためだけに造られているとしたら、何ともはた迷惑な話だ。
「前回の花組の方たちと赤い巨人が交戦したエリアの、降魔出現前に脇侍に破壊された祠から、わずかに霊力が感知されたことがわかってます」
「祠、ですか?」
「この帝都には魔を鎮めるための祠などが、多数設置されています。降魔や怪蒸気にとっては邪魔なものです。だからあの長屋の地点にあった祠の石が破壊された。
もしかしたらここにも奴らを引き寄せるだけのなにかがあったかもしれません。それを突き止めたら、事が起こる前に被害を抑えることも可能かもしれない」
「さすがルイスさん、そこまで調べていたんですね」
奏組をまとめているだけある。ジンは素直にルイスの手腕の良さを称えたが、ルイスは首を横に振ってきた。
「いや、私なんて大したことないですよ。私たちにできることなんて、花組の方々と比べると、ほんの一握り程度でしかありません」
その時、一瞬ルイスの表情が曇ったように見えた。それも、もどかしさの他に悲しみを帯びたものに見え
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