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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-4 出撃!花の華撃団
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ふと、それを探し回るのに集中するあまり、前を見るのを怠った彼は前にいた誰かとぶつかってしまう。
「す、すみません!」
「いえ、こちらこそ…」
咄嗟にジンは目の前にいる人物に謝罪する。ふと、彼は違和感を覚える。目の前の人から発せられた声に聞き覚えがあった。
その顔を見て、ジンは目を見開く。相手の人物もまた、少し驚いたようにジンの顔を見返していた。
「あなたは、あの時の!」
「君は確か…!」
ジンがぶつかってしまった人物、それは以前、デビルアロンと交戦する前に出会った美青年、ルイスだった。



「大神さん、この帝劇をお辞めになられるって本当なのですか!?」
一方、帝劇では大神が帝劇を辞職するという話を聞いて、さくらたち花組が彼の元へ問い詰めに来ていた。
「…ああ、近いうちにここを出る」
大神は言いづらそうに肯定した。
「お兄ちゃん、そんなのだめー!」
アイリスが大神の辞職に対して猛反対する。
「少尉、辞職とはずいぶん急すぎませんこと?」
すみれが大神を細い目でじっと睨みながら問いかけてくる。それに同調してか、マリアも快くない視線を大神に向けた。
「モギリが軍人の仕事ではないとでも考えたのですか?詰まらないプライドだとは思わないのですか?」
大神は首を横に振る。
「プライドとか、もはやそんな問題じゃない。降魔や怪蒸気の脅威がすぐそこまで迫っている。それなのに、何もしないままここでモギリをやっているようでは何も守れやしない。
マリアの言うとおり俺だって軍人だ。噂の赤い巨人に頼りきりになんてできない。
だから、少しでも可能性の見える道を行きたいんだ。君たちが、安心して舞台を帝都の人々に見せられるように」
「大神さん…」
その言葉自体は嬉しい。マリアが指摘したような理由でここを出るというわけではなく、彼なりにこの帝劇を思っての決断なのだとは理解した。だが、それでもここにいてほしいという願いが、この時のさくらとアイリスの中にあった。
「…すまない。もう決めたことなんだ。みんなと別れるのは辛いが、このまま行かせてくれ」
だからさくらは、実はこの帝劇が大神が赴任する『帝国華撃団』の本部なのだと伝えようとした。
「でも大神さん、ここは大神さんが望んでいた…」
「さくら!!」
しかしそれを、マリアが遮ってしまう。その声に驚いてさくらはビクッと身を硬直させ言葉を途切らせる。そして鋭い視線を向けて『それ以上は言ってはいけない』と目で伝える。
「で、でもマリアさん…米田さんにとっても…」
だが大神がここを抜けることは、この帝国華撃団としてはあまりに痛手だ。それでも、もう伝えるべきではないのか?さくらは目で訴え返す。
「さくら君、マリア…?」
何か言いたいことでもあるのだろうか?二人が何を伝え合っているのかわからない
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