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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-3 ジンと大神
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もう戻ったほうがいい。ついでに部屋まで送るよ」
「ありがとうございます。なら、お言葉に甘えて」
話を切り替えるように話してきたジンから見回りのことを思い出し、二人はジンも加えて夜の見回りを再開した。
ふと、サロンを通りがかったところで、そこのテーブルの上にあるものを見つけた。
「これは…」
近づいた大神はそれを手に取る。
「新聞ですね。米田支配人がうっかり置きっぱなしにしてたんでしょうか?」
さくらもその新聞が気になったのか、横から新聞の記事を見る。
記事には、写真つきで大きくこのようにふられていた。

『降魔戦争の救世主再来』

写真には、赤い巨人に変身したジンと、前回の敵だったデビルテレスドンの殺陣の一幕が写されていた。
赤い巨人の登場で降魔の驚異から帝都の人々が救われたこと、これからの未来に帝都の平和が約束されたのだと大々的に記載されている。ジンは少し照れくささを覚えた。
巨人の正体がすぐ脇にいる少年であることを知らない二人は記事に目を通していく。
「あの時の赤い巨人ですね…すごいですね。新聞でもすぐに、こんなに大きく掲載されてるなんて」
「さくら君たちは見たことがあるのかい?」
「はい。この眼で直接見たことがあります」
米田からの頼みもあり、赤い巨人を初めて見たのが、さくらが花組としての初出動の際のことだとは言わなかった。
「それにしても、この巨人はいったい何者なのでしょうか?みんな、この巨人についてはすごく気になっているみたいですよ。
でも、まさか…降魔戦争でもこの巨人が姿を見せていたなんて、初めて知りました」
赤い巨人のことについては、さくらに限った話ではなかった。帝国華撃団のメンバーたち全員が気にしていたことだ。突然現れ、巨大な降魔を倒し、帝都とそこに生きる人々を救った…『救世主』。あの時、さくらたちもまたあの赤い巨人に命を救われた。しかも記事の見出しのとおりだと、
(米田さんたちが言っていたとおり、僕もあの時…)
米田やさくらの父一馬、あやめ、そして顔もまだ思い出せないが、山崎という男とともに降魔戦争に参加していたのか。記憶こそ回復していないが、新聞でもここまで取り上げられているなら、間違いない。
「……俺は、いったい何をしているんだ…」
「大神さん?」
大神は、表情を曇らせながら口を開いてきた。どこか怒っているようにも聞こえる低い声だった。
「俺は軍人だ。国と国民のために武器を取って戦う…それが俺の誇りだ。軍人であることを無くしたら、俺には何も残らない。
なのに、俺はここで雑用をさせられて…帝都にはすでに降魔や怪蒸気の驚異が迫っているというのに…!」
新聞が今にも破れてしまいそうなほど、強く握り締めながら大神は悔しさに顔を歪ませた。こみ上げてくる怒りが、溜まり過ぎてダムを決壊してしま
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