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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
3-3 ジンと大神
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…」
「ああ、見たよ。なんか死んでる感じがしたけど」
心配そうに、用意された自室に入った大神の部屋の扉を見ていると、大神が再び部屋の外に姿を見せる。さっきと同じ死人顔だ。違うのは、ジンと同じモギリ服を着ていること。そのままとぼとぼと、下の階に降りていった。
「重症だね……」
大神の顔を見てジンは呟く。
「何かあったのでしょうか?」
「うーん……もしかして……」
「ジンさん、何か心当たりが?」
「あやめさんがさっき出る前に言ってたんだ。新しい隊長が、ただ優れているかどうかじゃなくて、花組を…てこの帝劇を愛せるかどうか試すって」
「試す……ですか?」
「多分そのために、大神さんに嘘をついて見たんだと思う。ここはただの劇場、それ以上でも以下でもないって」
ジンは、米田から大神がどのように言われたのか予想する。
その予想は、実際に当たっていた。
帝国軍人というものは国のために命をかけることを誇る。それができないとなると納得できないものだ。まして娯楽に興じるなんてもっての他。
しかし米田は、大神は士官学校の上官からその優れた才覚を妬まれ、ここへ左遷されたのだと言い放ったのだ。ならばなぜ先日の、海上で行われた新兵器実験で顔を出したのか大神が尋ねてくると、実はあれを最後に軍を退いたのだと語った。
帝国軍人として名を馳せたことがある米田が、まさか本気で帝国劇場の支配人をやって、昼から酒を片手に飲んだくれてるとは思わず、大神は当然反発した。だが直後に、軍人の基本「軍人は上官の言葉に従うべし」をつき出され、大神は表情からあからさまに不満を露にしていたものの、米田から言いつけられたモギリを任されたのである。
「米田支配人も意地悪ですね。もっと違うやり方もあったかもしれないのに」
「僕たちは魔の存在から人を守らないといけないから、妥協してる場合なんかじゃない。だから米田さんは……」
大神が降りていった一階の吹き抜けを覗き込みながら、ジンはさくらに言った。
「じゃあ 僕は大神さんのとこに行くよ。同じモギリだし、やり方教えてあげないと」
「お願いします」
これも命令の内だ。ジンは下に降りて大神の元に向かった。

大神はさくらに続いて、ジンとも再会を果たしたことに驚いたが、そんなものは最初のうち。馴れない活動に、この日は悪戦苦闘に陥った。
「おい兄ちゃん!早く切符切ってくれよ!」
(んなこといっても、今日がはじめてなんだぞ……!)
帝劇は毎日、長蛇の列。入場券を切るのも一苦労だ。大神はハサミで切符を切るのに手間取り、来場客はイラつきを募らせる。
「大神さん、力みすぎです。力を抜かないと手を切りますよ」
横からジンが大神にアドバイスを入れるも、この長蛇の列を処理しきれる早さには至らない。
「ったく、いつまで待たせんだ。こうなったら先
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