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提督はBarにいる。
実録!ブルネイ鎮守府24時・その2
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足りないそうです。そこで、比較的資源に余裕のある鎮守府に物資の融通を見返りに建造を要請し、体裁を整えているそうだ。

「だから、ウチで建造しても損は無いの。寧ろ建造した分よりも多く資源が入るから、実質黒字なんだから!」

 ウハウハと笑う明石さんを見ていると、何だか悪い事をしている人に見えてきました。そんな事を考えていると、

「明石さん、翔鶴参りました」

「しょしょしょ、翔鶴さん!」

 やって来たのは五航戦姉妹の姉・翔鶴さんだった。なんでも、他の空母の人達は演習やら遠征やらで忙しく、手の離せる人が居なかったらしい。

「いや〜悪いねぇ。確か今日は非番だった筈でしょ?翔鶴」

「いえいえ、この程度のお手伝いでお役に立てるなら、私も嬉しいですから」

 艦娘の兵装開発はかなり特殊です。妖精さんの作った開発マシンという機械に資材を入れて、スイッチを押すとランダムに何かが出来上がる……らしいです。その時、スイッチを押した艦娘の艦種によって出来やすい物に偏りがあり、一定の確率で失敗もするらしいです。

「んじゃ、今回は零戦52型狙ってくから、ちゃんと念じててね?」

「はい、いつでもOKです!」

 明石さんが資材の投入口に陣取り、翔鶴さんがスイッチの前に立ちます。

「えぇと、燃料20、鋼材60、弾薬が10にボーキが110と……翔鶴、押して〜!」

「では、行きます!」

 緊張の瞬間です。暫く唸りをあげていた開発マシンから、チーンという音がしました。取り出し口の蓋を開けると……

「あ〜惜しい!21型かぁ」

 零戦は零戦でしたが、52型よりも前の21型が出てきました。でも、まだ諦める時ではありません!そんな私をよそに、大淀さんは腕時計をしきりに気にしています。

「明石、すいませんが私達はそろそろ執務室に戻ります」

 えっ!?開発の結果を見届けないのですか!しかし明石さんは工廠内の壁掛け時計を見て納得したようで、

「あ〜、そろそろ提督起きてくる時間だもんねぇ。解った、残りの3回はこっちでやっとくよ」

「開発結果はちゃんと報告してくださいよ?」

「解ってるって、アンタとは付き合い長いんだから」

「じゃ、任せます。……親潮さん、行きますよ」

「あっ!は、はい!」

 色んな所を走り回って……秘書艦って大変です。

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