第一章
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今から帰るところだけれど」
「じゃあないとか？」
「あるわ。これからマクドナルドに行こうって考えてるだけだったから」
今日は部活もないし適当に時間を潰して家に帰ろうと思ってた。そこに声をかけられたということだ。
それで私はこう彼に返した、そういうことだった。
「あるけれど」
「じゃあさ。ちょっと俺の話聞いてくれるかな」
「お話ってことは」
「まあ。何ていうか」
「私彼氏いないけれど」
まずはこう返した。横にいる彼の顔をじっと見て。
「それでもね」
「それでもっていうと」
「即答できないから」
それはできなかった。彼氏がいなくてもすぐにはいそうですと答えることはできなかった。相手がどういった人かわからないからだ。
だから今はこう返してそれからあらためて彼に言った。
「じっくりとお話してからでいい？」
「どれだけ？」
「私が納得するだけ」
そうしたうえでないと付き合えないと思っていた。友達ならともかく彼氏彼女になると色々とあるって本で読んだから。
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