暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第102話「とある来訪者」
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します。今は(れん)と名乗っています。」

「優輝は予想がついているだろうけど、彼女も私と同じ式姫よ。」

 刀の付喪神であり、刀を扱うのが得意とする式姫。それが彼女。
 江戸の時は刀の腕はともかく葵より弱かった事から、無力を感じていたらしいけど...。

「この街に来た理由ですが...簡単に言えば刀を極めたいのです。そのため、各地を巡り、名のある道場などに手合わせをお願いして回っていました。」

「名のある...?確かに御神流は一部では有名だけど、世間的には...。」

 優輝の言う通り、御神流は要人警護など、“その類”では有名だけど、一般的にはあまり知られていない流派ね。
 だから、なぜここに...というか、アリシアの言葉をあっさり信じたのかが疑問だわ。

「既に表立って有名な場所は巡ったので...。各地を巡りつつ、修練を重ね、偶然見つかれば...と言った感じで旅をしていました。」

「それで偶然ここを見つけたのね...。」

 佇まいから見て、剣の腕は以前よりも上げたらしい。
 だから、恭也の神速について行けたのね。

「....やっぱり、悔やんでいるの?」

「...はい。」

 彼女は普段から真面目だった。...だけど、各地を巡ってまで修練を重ねる程ではない。
 それなのに、今までずっとそうして来た訳があるとすれば、一つだけ。
 あの子の...とこよの力になれなかった事。

「私は...無力でした。戦いに赴くご主人様の助力にすらなれず、ただ待つことしかできませんでした。...それが、私にはとても悔しくて...。」

「....その気持ち、あたし達にも分かるよ。」

 私たちも当時は足手纏いに過ぎず、それ以前にあった戦いで重傷を負ってしまった。
 そのせいで私たちは何もすることができなかった。

「...そこら辺の話、僕もよくは知らないんだけど...。」

「...また別の機会に話すわ。これは、私たちも悔いとして残っている事だから。」

「了解。そういう事なら、無駄な詮索はしないよ。」

 優輝や、司達が私たちの会話を聞いて私たちの過去を気にしてくる。
 あまり話したくない...というより、思い出したくない事だからはぐらかす。
 結局、そのうち話す事になりそうだけど...。

「貴女が無力を感じ、そして修練を続けている事に関しては止めないわ。...ただ、無茶はしないでよね。貴女だって、大事な仲間なんだから。」

「...承知しています。私も、以前よりも霊力が不足しており、全体的に見ればかなり全盛期に劣っていますから...。」

 私たちのように、主もいなく、霊脈を見つけている訳でもない彼女は、やはり以前の私たちのように弱体化していたみたい。


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