第4章:日常と非日常
第102話「とある来訪者」
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恭也は攻めにくくなったのにも関わらず、隙を突くように立ち回る。
「そこっ!」
「なにっ!?」
躱し、受け流し、反撃する。その攻防の中で、ついに少女が攻勢にでる。
円を描くように振るわれた木刀に恭也の木刀が受け流され、隙を晒してしまったのだ。
「(片手だけで、俺を追い詰める....とはっ!)」
「っ!?」
そこで、ついに恭也は“神速”を解禁する。
知覚外のスピードで少女の突きを躱し、そのまま決着を着けようとして...。
「甘、い!」
「なっ...!?」
腰に差していた鞘によって、受け流されてしまう。
「...なるほど。そのための鞘か。」
それを見て、なぜ鞘を付けていたか納得した優輝。
意表を突く事を含め、少女は鞘による二刀流を扱ったのだ。
「(早い...!見切れなかった...!ですが、あれほどの動き、今まで使ってこなかった事を見るに、所謂切り札のようなもの...!ならば...!)」
「(来るか...!)」
少女が間合いを詰め、恭也が神速で迎え撃とうとする。
「はぁっ!!」
―――御神流奥義之六“薙旋”
「....っ!」
自身の間合いに入る瞬間、恭也は踏み込みつつ、神速からの四連撃を放つ。
それに対し、少女は....。
「なっ....!?」
「くっ....!」
―――刀奥義“一閃”
鞘を盾のように据え、受け止めると同時にそれを足場にして跳躍。
恭也の真上を取り、強力な一閃を放った。
「(御神流の神速に、対応した...!?)」
「...そこまで!」
優輝は、恭也の神速を見切り、その上動きで上回った少女に驚きを隠せなかった。
結局、少女が放った一閃は寸前で勢いを弱めたため当たらなかったが、それを見て決着はついたものだと士郎が判断し、試合が終わる。
「...まさか、鞘を盾にするどころか、足場にするとは...。」
「いえ、それよりも最後の一撃を寸止めしてしまってすみません。どうもあのまま放っていれば貴方の骨を折っていたかもしれませんので...。」
「やはりか...そういった理由で止めたのならば構わない。」
真剣勝負で寸止めをしてしまった事で少女は謝るが、理由を聞いて恭也は許す。
「まさか神速についてくるとは...。」
「先程の動きですか...。途轍もなく速い剣士は相手にした事があるので対処できましたが....この時代にこのような流派が残っていたとは思いませんでした。」
どちらもどこか満足した様子で、互いを称え合う。
「す、凄かったね優輝君...。」
「...ああ。だけど、それよりも...。」
試合を見て、常
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