第4章:日常と非日常
第102話「とある来訪者」
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礼します。私は各地の剣術を扱う道場を巡っておりまして、先程こちらの道場を紹介され、ここに来ました。」
「道場破り...と言った雰囲気ではなさそうだね。」
「はい。ただ、手合わせをお願いしたく。」
少女の言い分に、士郎は少し考える。
雰囲気や、真っすぐと目を見て話す様子から、冗談ではないと判断する。
「いいよ。そういう事なら招き入れよう。」
「ありがとうございます。」
そういって、二人は道場の方へと向かっていく。
「...なるほど、手合わせか...。」
「でも、霊力を持っている説明にはならないよ?」
その様子を、遠くから見ていた優輝達。
なぜ剣術関連を尋ねたかは分かったものの、霊力を持っている理由がわからないとアリシアが言い、まだ様子を見る事にした。
「....ねぇ、かやちゃん。」
「...ええ。もしかして、彼女は...。」
そこで、椿と葵が何かに気づいたように会話する。
「知っているのか?」
「ええ。確信は持てないけど...ね。」
「とりあえず、あたし達も行くよ。」
日光の下いつまでもいられないため、優輝達も道場へと向かう。
「今日は来客が多いね。」
「すみません、大勢で押しかけて...。実は...。」
またもや士郎が出てきて、優輝は軽く経緯を説明する。
「ああ、通りで彼女がここを訪ねてきた訳だ。」
「それで、件の彼女は?」
「手合わせするためにいつもの服装に着替えるそうだ。あ、ちなみに相手は恭也だ。」
見学も構わないらしく、優輝はしばらく道場内で待つことにした。
「あれ?その姿になっても構わないのかい?」
「ええ。私たちの予想が正しければ...ね。」
椿たちは式姫としての姿に早変わりし、その状態で待つことにした。
そして、そこへ件の少女がやって来た。
「お待たせしまし...た...。」
「....やはり、ね。」
「まさか、生きているとは思わなかったよ。」
少女は、先程アリシア達に会った時と違い、黒を基調とした着物に着替えていた。
そして、椿たちを見るなり驚きの表情へと変わる。
「な、なぜ貴女達が...。」
「ちょっと縁があったのよ。まぁ、詳しい話は後でするわ。手合わせ、するんでしょ?」
「....そうでした。では、お願いします。」
「ああ。」
驚愕や、訳を知りたい衝動を抑え、少女は恭也と相対する。
「木刀に...鞘?珍しいな...。」
「本来、木刀に鞘は必要ないもんね。多分、現代では無許可で本物の刀を所持する事は禁止されているから、そのために代わりとして似せたんだと思うよ。」
「なるほどな。」
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