第七章
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「本当にね」
「何だ、そうか」
「そうよ、普通にね」
「ただのクラスメイトか」
「彼氏だったらこんなにリラックスしてないでしょ」
「それもそうだな、緊張してここにいるな」
「そう、ちょっと私達が全然似てないって言うから」
陽菜は自分の父に自分から話した。
「来てもらってね」
「実際に親娘だってか」
「見てもらうことにしたの、お母さんにも合ってもらったわ」
陽菜は父にこのことも話した。
「それで今からね」
「わしにか」
「会ってもらうってお話してたの」
「成程な、いつものパターンだな」
「そうよ」
こうしたことはこの家では常だとだ、利樹は二人のやり取りからわかった。そして陽菜の父は利樹に笑顔で言ってきた。
「実はわしもわからんことで」
「そうなんですか」
「最初は似てないって言われていつも後で言われるんだ」
「親娘だってですね」
「そうなんだ、席失礼するな」
こう言ってだ、陽菜の父も座った。ちゃぶ台のところに。
そしてだ、田舎饅頭を見て言った。
「じゃあ饅頭も食うか」
「食べ過ぎないでね」
陽菜は饅頭を見て目を細めさせた父に忠告した。
「いいわね」
「晩飯もあるからな」
「そう、だからね」
「少しにしとくか」
「お饅頭はね」
「じゃあ一個か二個だな」
陽菜の父は娘の言葉に頷いて言った、お茶は娘が淹れてくれたものがある。
「もう少ししたら御飯だしな」
「私もあと一個で止めるから」
「そうか、ああ君はどんどん食べていいから」
陽菜の父は利樹にはこう言った。
「気にしないで」
「いえいえ、それは」
利樹は謙遜して返した。
「こちらこそお気遣いなく」
「そうか、出来た子だな」
「口はちょっと悪いけれど礼儀正しいの」
陽菜はここでこう言った。
「これでもね」
「口が悪いのは余計だろ」
「そうかしら」
「そうだよ、それはな」
「いいじゃない、事実だから」
「そう言う御前も口が悪いだろ」
「そう?」
「そうだろ」
「確かに御前は口が悪い」
陽菜の父はこう娘に言った。
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