第四章
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「今日も買いたいか」
「はい、でしたら」
「お好きなだけ持って行って下さい」
「奥方様はとかく煙草がお好きじゃ」
それでというのだ。
「よく吸われておってな」
「その分ですか」
「買って頂けるのですか」
「うむ、今日はしこたま買ってな」
「煙草をですな」
「そうして頂けますか」
「あと煙管も頼みたい」
煙草を吸うそれもというのだ。
「是非な」
「煙管ですか」
「そちらもですか」
「新たに作ってもらいたいのだ」
こう注文を言ってきたのだった。
「奥方様は煙管にも凝っておられてな」
「先にお渡ししたものとは別に」
「新たにですか」
「御主達に金をふんだんに使ったとりわけ大きく派手なものを作ってもらいたい」
そうした煙管をというのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「これより」
「作ってくれるか」
「はい」
二人は侍に同時に答えた。
「それではです」
「作らせてもらいます」
二人にとっては何でもないことだ、それこそどれだけ派手で豪奢な煙管を作ることが出来る。悪魔の中でもとりわけ手先が器用なのだ。
そしてその煙管を売ってだ、悪魔達は侍にその煙管を渡してから問うた。
「どうでしょうか」
「この煙管で宜しいでしょうか」
「うむ、見事」
実にとだ、侍も答えた。その煙管をまじまじと見たうえで。
「これはいい」
「では、ですね」
「買って頂けますか」
「これでどうじゃ」
今度も驚くだけの量の大判を出してきた。
「足りぬか」
「いえいえ、とても」
「これだけ頂けるとは」
悪魔達はこれまただ、支払いの額に驚いた。
「信じられませぬ」
「何と言えばいいか」
「取っておけ」
笑って言うのだった。
「今度もな」
「そこまで言われるなら」
「喜んで」
「それではな」
こう話してだ、そしてだった。
侍は煙管を受け取ってから意気揚々として城に戻って行った、二人はその侍を見送ってからまた彼等の間で話をした。
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