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機動戦士ガンダム0091宇宙の念
宇宙編
月決戦編
第44話 終結の園
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「機影!識別信号確認!フーバー少尉です」
報告を受け、目を光らせるカデッド。
「…少し頼む」

「着艦、着艦!!!くるゾォ!」
青いリゲルグがデッキに飛び込む。
「おかえりフーバー!大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
応えるなり、整備長を押しのけパイロットルームへと駆け込んでいくフーバー。
「メアリー!!!いるか??」
「??ちょ、ちょっと。ノックぐらいしてくださ…」
「来い。ここから早く逃げる」
フーバーはメアリーの手を引き寄せながら呟いた。
「え?逃げる…?」
「詳しいことは直ぐ話す。いいから来い!」
そこまで言ったとき、艦内に警報が鳴った。
『敵、接近。ドーベン・ウルフと思われる!迎撃用意!』
「ドーベン・ウルフ??直ぐ出ないと!」
「待て!あれは敵じゃない!」
「?何を言ってるんです?ドーベン・ウルフは敵でしょう??裏切り者の!!」
「本当の裏切り者はこの艦にいたんだ!艦長が」
「そこまでだ」
「??」
そこには、数人の佐官に囲まれこちらを見据えたガデッドがいた。
「フーバー少尉、君の言うことは周りの士気を下げる。動揺させる様な真似はやめて、素直に死にたまえ」
腰から取り出した自動小銃をこちらに構える。
明らかに憤りの念を露わにした顔でこちらを睨みつけていた。
「あの裏切り者に染まったか?君も裏切り者というのなら、ここで死ね」
引き金に手をかけたそのとき。
乾いた音が後ろで響いた。

「あたしの大切な人を、傷つけさせはしない」
「ぐっ??ウァァァアア!!」
血を吹き出したガデッドは、叫びながら後ろへ跳んだ。
周りの佐官は数人がガデッドを見、数人がこちらに構えた。
「おい、メアリー??」
メアリーは俺を強く引くと、前進しつつ弾を放った。
「うぐぁ!!!!!」
「ぐっぁぁ!!!!!」
無重力に流れた赤い血液が、球体となって漂う。
「隊長!はやくMSに!!」
メアリーは手すりから俺をデッキに向かい投げると、扉に踏みとどまった。
「うぐぁ…こいつ…!」
顔に手を当て血を流すガデッドが、メアリーに銃口を向ける。
「くっ!…弾切れ??」
「メアリー!!!」

ゆっくりと宙を流れてくる彼女。
胸からは大量の血が吹き出ていた。

「うわぁぁぁぁ!!!!!!」
フーバーは叫んだ。
火が入ったままのリゲルグに飛び乗ると、整備長を押しのけ機体をパイロットルームの自室へ突っ込ませた。
「うごぉっ??」
MSの腕にぐしゃりという感触が伝わる。
「うぉぉぁおお!!!」
機体を翻し、すかさずコックピットを蹴りメアリーを引き寄せる。
「メアリー、メアリー!!!しっかりしろ!!!」
半目を開けたまま虚ろなメアリー。
「隊…長」
ワイヤーを引き寄せコックピットに戻り
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