SIDE:A
第十三話
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だ!
重心移動と足首の捻りだけで移動する独特の歩法でヒアシさんとの間合いを計る。ヒアシさんを中心に半円を描くように移動しながら徐々にスピードを上げていった。摩擦で木の板に薄っすらと熱を帯びていくが、特殊な木材なため燃えることは無い。
チャクラを練りこみながら、緩急をつけて移動する独特の移動術。
「あれって、ハルトさんが考えた歩法ですよね?」
「う、うん。いつ見ても不思議だね……。普通に見たらちょっと距離感が分かり辛いだけなのに――」
「白眼で見るとたちまち分からなくなる。確かに不思議ですね」
姉妹のやり取りが聞こえる。ヒナタたちの言う通り、この移動術は白眼対策で考え付いたものだ。白眼の使い手の多くは視界に映る相手のチャクラに意識を集中する傾向がある。それに気がついた俺はこの歩法を編み出した。チャクラを常に練りながら緩急をつけて高速移動することで、目の錯覚を利用して距離感を狂わせるといったものだ。
「むっ……」
やはりヒアシさんもチャクラの識別に意識を向ける派のようだ。若干距離感を掴みかねているな。
その僅かな隙を突く!
「我流体術、押し一手!」
背後に回りこんだ俺は至近距離から掌底を放つ。咄嗟に反応したのは流石だが、受け流そうとするは悪手だぜ!
「ぬんっ!」
「むぅっ!?」
掌から膨大な量のチャクラを一気に放出。爆発的に生み出されたチャクラの本流は数メートル大の手形の衝撃波として顕現する。
掌底そのものは受け流せてもこのチャクラで構成された攻撃は避けられない。ヒアシさんは辛うじて両手を交差させたが、巨大な掌底に吹き飛ばされ壁と板ばさみに合う。
「くぅっ……はぁっ!」
裂帛の気合とともにチャクラの掌底の圧力から逃れるヒアシさん。体からチャクラを放出して衝撃を緩和させたか。
「今度はこちらから行くぞ!」
両手を前後に開き屈み込むような低い姿勢の構えを取る。それを見た外野――ヒザシさんとネジ親子が驚愕の声を上げた。
「あれは、八卦六十四掌!?」
「まさか、組み手でそのような奥義を!?」
八卦六十四掌か。その技は以前ヒアシさんから見せてもらったことがある。
六十四掌とあるとおり、六十四の点穴を突くことでそれらを閉ざす技だ。技を受けた者は経絡系のエネルギーの流れを遮断され、チャクラを練ることは勿論立つことさえままならない。忍はチャクラがあってこそ本領を発揮できる。その力の源を断つという忍殺しの技だ。
しかし、それには点穴を突き正確にチャクラを流し込む必要がある。点穴までチャクラを流し込めなければ意味が無い!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ