SIDE:A
第十三話
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いか! 彼らはあんたらの便利な道具でもなければ奴隷でもないんだぞ!』
『ふん、小童風情が。他所の人間が顔を出すでない。これは日向の問題よ』
『ヒナタと婚約している以上俺も関係者だ! いいかジジイ、家族ってのは史上最強の味方なんだ! 分家がいないと宗家が残れないってんなら、いっそのこと滅んじまえ!』
『……なに?』
『血継限界を守るため? 血を守るため? たしかにそれも大事だろうさ。だけどな、だからといって人を切り捨てていい理由にはならねぇんだよ! なんだよ、宗家って。なんだよ分家って。なんだよ日向って! くだらねぇ御託並べて言い訳してる暇があったら手を取り合えよ! 協力して明日を生きろよ! それが出来ねえなら清清しく滅んじまえよッ!!』
『このっ、小童が……っ! たかだが十も生きておらん小僧風情が頭に乗るでないわっ!』
『頭に乗ってんのはテメェらだろうがっ! いいか! 百回叩くと壊れる壁があったとする。でもみんな何回叩けば壊れるかわからないから、九十数回まで来ていても途中であきらめてしまう。あんたが次に叩く1回で、壁は打ち破れるかもしれないんだよ! 諦めんなよ! 諦めんなよっ! みんなでさ、新しい日向を作っていこうよ! 宗家を守るために切り捨てられる分家とかそんな殺伐とした関係じゃなくてさ、互いに手を取り合う強い絆で結ばれた一つの家族になろうよ! 笑い合える未来を築いていこうよっ!』
絶好調な熱いトークにいつしか反対派の人も一人、一人と前言を撤回し【日向家改革計画】に賛同してくれた。そして、ついにあの頑固で頑なに認めなかった長老も溜息混じりに頷いたのだ。
その様子を分家は信じられないものを見る目で眺めていた。本当に自分たちの関係が変わると思ってもみなかったのだろう。
その日を境に、日向家は生まれ変わった。今でも便宜上宗家、分家と分かれてはいるが格差はもうない。ヒアシさんも時々ヒザシさんと仲良くお酒を飲んでいるようで、大抵その日は機嫌がいいし。呪印もネジ世代で廃止するようだ。
ちなみにこれを切っ掛けに日向家の皆さんから正式に「若」と呼ばれるようになりました。あと、こっちは本当に何故なのか知らないけれど、気合パワーを完全に扱えるようになった。なんだ、修造か? 修造だからか!?
まあ、この気合パワーに関してはまた今度説明しよう。話せば長くなるし。
「それにしても、あの時のハルトくんはまるで別人のようだったな」
「本当よね。背中に炎が見えた気がしたもの」
当事のことを振り返ってそのような感想を言うヒアシ夫妻。そりゃ、あの時の俺には修三が憑依していたに違いないからな。
「よし、久しぶりに稽古をつけてあげよう」
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