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嫉妬を止めて
第五章

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「レスラーよ、しかも物凄く大きくて」
「大きいからって何よ」
「強くてね、子供達に優しくて」
「優しいことは優しい」
 彩は宏伸の人格は認めてた、それに悪いと言ったことはないし思ったこともない。
「私にも誰にもね」
「気は優しくて力持ちって最高じゃない」
「そう?」
「しかもレスラーとして名が売れてるでしょ」
「若きヒーローとしてね」
「それだったらね」
 それこそというのだ。
「こんないいお兄さんないじゃない」
「そうなるの」
「そうよ、本当にね」
 実際にというのだ。
「私のお姉ちゃんより凄いじゃない」
「レスラーが」
「だってお姉ちゃん小さいわよ」
 美優紀は姉の背のことも話した。
「スタイルはいいけれどね」
「それはね」
 彩も知っていた、陽菜の背のことは。伊達に何度も会ってはいない。
「私達よりね」
「一五〇ないのよ」
「小柄よね」
「そう、一四八よ」
 だが出ているところは出ているのでそちらも人気なのだ。
「モデル体型でもね」
「だからピッチャーでも」
「そこで苦労してるし」
 ピッチャーは背が高い方がいい、これはソフトでも同じだ。ただしあまり高くなり過ぎてもそれはそれで問題となる。
「しかも変な癖多いし」
「何かと」
「私の耳噛むの好きだし、子供の時から」
「あとお風呂も長くて女の子に誰でも抱き付いて」
「ぬいぐるみとかお人形とか可愛いものに目がなくてお部屋いつもそういうので一杯だし」 
 陽菜のそうしたことも話していくのだった。
「しかもね」
「しかも?」
「結構雑なところもあるの」
「そうなの?」
「お料理は上手だけれど」 
 美優紀は陽菜のこのことも自慢している、特にお菓子が美味しいとだ。
「もう台所滅茶苦茶になるから」
「作ったら?」
「そうなの、絵を描いてもね」
 その時もというのだ。
「凄いから」
「そうだったの」
「そうよ、確かに凄いけれど」
 ハイスペックなのは事実にしてもというのだ。
「お姉ちゃんも?なところあるから」
「陽菜さんも」
「そういうところは普段言わないけれど」
「陽菜さんも欠点あるのね」
「それでも凄いけれどね」
 いつも自慢している通りにというのだ。
「そういうところもあるわよ、そしてね」
「私のお兄ちゃんね」
「あれだけ強いじゃない」
 レスラーとしてのそれのことを言うのだった。
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