第四章
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チャンコットは妻が作ったその料理を見た、すると。
伝統的なタイ料理だがだ、どの料理もだった。
赤や緑、青、黄色、紫、橙、黄緑にとだ。一つの料理がそれぞれの色で分けられていた。その様子はというと。
「タイ料理っていうかお菓子だな」
「そんな感じの色よね」
「そうだな」
こう妻にコメントを述べた。
「これは」
「そうよね」
「しかしだよな」
「着色料じゃなくてね」
「唐辛子だからだな」
「辛いわよ」
どの色でもというのだ。
「そこはわかっていてね」
「ああ、それじゃあな」
トムヤンクンに魚料理に野菜料理、そしてビーフンもある。しかしそのどれもが七色だ。全ての色の唐辛子が整然として配色されている。
それを二人で食べるが。
チャンコットはまず魚料理、一尾丸ごと煮たそれの赤いところを食べてだ、こう言った。
「赤の味だな」
「そうでしょ」
「ああ、完全にな。ただな」
「それでもね」
「他の唐辛子の味もするな」
それのもというのだ。
「一緒に料理したからか」
「そうみたいね」
シンラーも食べつつ言う。確かにそうした味わいだ。
「出ているのよ」
「全部の唐辛子の味がか」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「煮たものはね」
それはとだ、シンラーはチャンコットにこんなことも話した。
「唐辛子が混ざらない様に」
「こうした奇麗な配色になる様にか」
「注意したわよ」
そうしていたというのだ。
「配色は考えるって言ってたでしょ」
「御前らしいな」
「そう、だからね」
「そこはか」
「そう、そこは気をつけていたの」
「成程な、しかしな」
食べつつだ、チャンコットはさらに言った。コバルトブルーの唐辛子の部分を食べつつだ。
「他の唐辛子の味もするな」
「そうね」
「同じ鍋で煮てるからな」
「こうなるのよ」
「そういうことか、唐辛子といっても」
それでもとだ、また言ったのだった。
「一つの料理で一緒に食うとわかるな」
「それぞれの味の違いがね」
「風味もだな」
味覚だけでなくというのだ。
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